相変わらず内容がいい!今回は最終幕にちゃんと挿絵があったので文句なし!次回は優でしょうか?シルヴィア、シャルロットで終わりでは寂しいので優出るの期待してます!
どこか不安気な空気を漂わせながら薄暗くて退廃的、 ストーリーと言えば肝心な処ではぐらかしている。 はたしてこれが見るに値するモノだとでも言えるのだろうか ? しかし・・・
そんなことはどうでもいい。
この作品が持つ最も重要な意味は・・・ かつては「B・B」や「フランス・ギャル」、そして「ジェーン・バーキン」などといった 夫々の時代のトレンドセッター達とより深い関係を保ちながら 「フレンチロリータ」と名のつくポップカルチャーを創りだした「セルジュ・ゲンズブール」が、 新たに矛先を向けたのが当時若干15歳の自らの娘「シャルロット」であるということだ。 この作品はこれまでと同じように音楽とビジュアルを「セルジュ・ゲンズブール」自身が手掛けており、 そして娘「シャルロット」の相手役・・・つまりは父親役としても本人自らが務めている。
彼はどこまでも本気なのだ。
相手が実の娘だと言う理由によって彼の手が弛められるという事は決して起こり得ない。 むしろ「父が娘に対して抱いてしまった恋愛感情」を作品中で演じる事によって より鋭くこれ迄以上の視線を彼女に突き刺している。 「セルジュ・ゲンズブール」が解き放つ毒があまりに強いことは彼自身がよく知っている。 オーディエンスの目が自分に引き寄せられてしまう事も彼はよく知っている。 しかし自らが手を引く事によって「シャルロット」は自分と向き合っても 充分な光を放つ事をも彼はよく理解していたのだ。 そんな「セルジュ・ゲンズブール」が捉える「シャルロット」はたまらなく魅力的だ。 退廃的な空気もチャコールグレーの薄暗い色使いも、 子供っぽさがまだ自然に映る時期にしか放つ事のできない 危なげな色気を浮き上がらせる為の計算し尽くしたギミックなのだろう。
そんな危うくも妖しい光を纏いながら、 狭い空間のなかで最小限の登場人物との関わりによって紡がれた成り行きに任せて 2人の感情を覆っている何かが1枚・・・また1枚と剥がれていく。 同時に徐々に追い詰められていき、壊れていく。 とても脆くて繊細な感情のアンサンブルがここでは繰り広げられている。 見事だ・・・まるで言葉が出ない。 そしてシナリオは一瞬にしてハッピーエンドへと繋がっていく。 そう、これもひとつのハッピーエンドだ。 たとえそれがシナリオ上の演技だとしても、 実の父と娘との間で展開される光景を前に我々はただ途方に暮れるしかないのだろうか。
やがてそこに「キャベツ野郎のほくそ笑み」だけが残っている事に気付く。かしこ。
高い評価を受けた、ジェーン・バーキン(Jane Birkin)主演の1984年フランス映画「LA PIRATE」。
タイトルには「ラ・ピラート」(PIRATE)という略奪する女性(海賊)という言葉が使われていますが、もちろん、海賊映画ではありません。
ジェーン・バーキン演じる"アルマ"を4人の男女が取りあう恋愛映画です。映画を観ている間に、その4人の中に入ってしまう方も多いのではないでしょうか。
色んな意味で思わず、「フランスの80年代は美しい。」と見入ってしまいます。
DVD付属リーフレットのカヒミ・カリィによる解説文も秀逸。
2002年発売盤が売り切れて高騰していた作品です。
2011年10月に販売元を変えて再発売されました。
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