・穏やかな波に揺られているような、穏やかな旅をしているような
そんな優しい音にあふれたアルバムです。
・アルバムの数曲は嫌いだというようなことが、普通のアルバムでは
あるのでしょうが、どの曲たちも妥協がなく、やすらぎをくれます。
・チェロが主役でありながら、ピアノやギター、ストリングスなど
全体的に、癒される優しさにあふれた一枚です。
何より写真が綺麗。
買って損はないと思います。 富井さんの別の写真集もオススメです。
本書は『始皇帝の地下帝国』の出版後に様々な始皇帝陵の探査の成果が出て、それを踏まえて
書き直されたものである。四章からなるが、章毎の連続性は低く、始皇帝・始皇帝陵に関する
四つの話と見るべきである。
第一章「新発見相次ぐ始皇帝陵園」では、2004年までに分かる限りの始皇帝陵の資料が提示さ
れる。ここでは現在の始皇帝陵の有様も著者の主観で述べられ、恰も遺跡巡りの観光手記である。
第二章「始皇帝の死と二世皇帝の実像」では、絶対権力者であった始皇帝と、ただ継がされた
だけの二世皇帝という従来史観では無く、古墳から出てきた文書や始皇帝の顕彰刻石と史記を
比べることによって、史記の背景や始皇帝よりも寧ろ積極的な面もあった二世皇帝の自発的行
動を浮き彫りにするのに成功している。
第三章「秦王陵の伝統をさかのぼる」では、始皇帝陵が作られるに当たってその手本或いは雛
形となった、戦国七雄の秦の王陵があり、源流であるそれらを訪ねることで、始皇帝陵のポジ
ションを見ようとしている。ここも著者の遺跡巡りの手記と言える。
第四章「始皇帝陵の地下世界と地上の帝国」では、史記に水銀の川が流れると記載され、20世
紀にそれが実証された始皇帝陵の地下宮殿、その構造や意図について言及される。そこには当
然ながら、当時の思想や地上での秦帝国が反映されている。特に立ち姿が安定するように下半
身が太めに作られ尚且つ表情豊かな兵士の俑は、日本でも知られるようになった。その兵馬俑
が何を意味するのかを論じている。
詳細な資料と様々な吟味からなるが、それでも始皇帝や始皇帝陵については不明な点が多い。
本書を読むことによって、歴史の奥深さを見せられ、史記に描かれた世界をそのまま信じる恐
さを教えられた気がする。
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