この曲数でこの値段なので、もしかしたら微妙かも…と思いつつ買ってみたんですが、やはり途中でフェードアウトしちゃう曲が結構多かったですね。特にボレロなんかは、最初の小さな演奏から最後の大合奏まで全て通して聴きたかったのでかなり残念です。もしこれらの曲目が全曲フルで入っているCDがあったとして(更に値が張るでしょうが)どちらを買うかと聞かれたら、私はきっと高くても全曲フルの方を選ぶでしょうね。せっかく良い曲が集まっているのにホントに勿体無いです。CDの録音時間に合わせるのではなく、曲の長さに合わせて欲しい思いました。
父ロミュラス、母クリスティーナ、息子レイモンド。ドイツからオーストラリアへ移民してきた三人家族。
クリスティーナはオーストラリアでの生活になじめずドイツとオーストラリアを行ったり来たり。ドイツで夫以外の男性と暮らす二重生活。寂しさを常に心に抱え、それを受け入れられず、不安障害に苦しむ。
ロミュラスはそんなクリスティーナを心から愛し、浮気や二重生活をしようともそれを許す。しかし異常なまでの彼女の行動に彼の心は苦しみ、神経をすり減らせていく…。
そんな家庭に育ったレイモンドは父や父の友人から沢山の愛を受け取りながら成長していく。
ロミュラスの一途な愛であるが故の、クリスティーナの寂しさを受け入れられない不完全であるが故の二人の苦しみが強く伝わってきました。そしてその間でいろんな気持ちになる幼きレイモンドの心。様々な感情が交錯し合い、ぶつかり合い、時にはすれ違って物語は進行していきます。寂しさ、悲しさ、喜び、怒り…。出演者の演技が素晴らしく、三人の姿を見ているといろんな気持ちにさせられました。タイトルにあるように父ロミュラスの、息子レイモンドへの愛が一番印象的でした。
この本を読んだ時、最初は私も正直、失望を感じなかったといったら嘘になります。しかし、それだけ私も「『ローラ:インガルス』を本から抜け出たように演じた『天才子役女優・メリッサ・ギルバート』に『ローラ』を映し出していたのだなあ」・・・と、改めて感じて読み続けると、この本の印象ががらっと変わりました。
テレビ版「大草原の小さな家」のローラを演じたことで、一世を風靡し、天才子役の名を欲しいままに、否、彼女が想像した以上にメリッサ、では無く彼女が演じた「ローラ」が一人歩きしたことで、その後の彼女の女優人生が「ローラ」に翻弄されてしまったことに関しては、この「ローラ・インガルス」役は、メリッサにとって、卑近な例えですが、日本で言えば「水戸黄門」のように、女優メリッサを束縛した点もあったのだなと改めて感じさせられました。その点で言えば、彼女は名声を得たと同時に、非常に辛くもあったでしょう。彼女が自伝の中で書いているように「ローラ」が慕った「父さん・チャールズ」を演じた名優・故・マイケル・ランドンをメリッサが「父さん」のように慕っていたところ、突然のマイケルの離婚に、ショックを受けた幼いメリッサに、マイク(マイケルの愛称)が、実際にメリッサに直接こう語ったのが心に残ります。「僕は『チャールズ父さん』じゃなくて、俳優のマイクなんだよ。その事を理解して欲しい」と。この言葉は女優メリッサギルバートを改めて理解するためにも、非常に示唆的な言葉だと思います。
また、この自伝の中で、姉のメアリー演じた「メリッサ・スー・アンダーソン」(当時)とは、やはり原作の幼少時のローラとメアリーのように親しくはなれなかったこと。逆に、原作では「敵役」だった「ネリー・オルソン」を演じた「アリソン・アーングリン」とは今でも親友であること、など、非常に興味深かったです。私は、この邦訳本と共に、原作の'Prairie Tale: A Memoirと、メリッサ・アンダーソン(成年と共に、「スー」のミドルネームを取った、と本人が書いていました。)の自伝'The Way I See It: A Look Back at My Life on Little House、そして、アリソン・アーングリンの自伝' Confessions of a Prairie Bitch: How I Survived Nellie Oleson and Learned to Love Being Hatedを購入し、少しずつ読んでいます。メリッサ・ギルバートと共演した二人の女優にとっても「大草原の小さな家」のテレビは、彼女達の人生にとってどんな存在だったのか。また、彼女達の生き様を知りたい、と言う理由です。
このような興味を湧かせてくれた、このメリッサの自伝は、「大草原フリーク」の私にとっては非常に価値あるもので、そして、ある意味「ローラ」の名声に翻弄され、また非常に複雑な出生と生い立ちの中で、幼少時から、母のプレッシャーに耐え、必死になって「女優」、そして「一人の若い女性」として、私たち皆が体験して悩む、異性との関係、ドラッグに対する誘惑など、大変な、そして辛い、苦い経験を隠すことなく私たちに「本を書く」ことで伝えてくれたこと。そして、二度の結婚と離婚の中「妻」そして「母」として、精一杯生きてきた一人の女性「メリッサ・ギルバート」を理解する助けになった、大変貴重な本でした。そう言う点でも、この本を「大草原ファン」「(メリッサ演じた)ローラ・ファン」の方にお勧めしたいです。
最後にメリッサへ。 この本を書いてくれて本当にありがとう。 そして、原作から抜け出たような「素晴らしい魅力的なローラ」を演じ続けてくれてありがとう。 きっとね、貴女の愛していた「マイケル・ランドン」も天国から 「メリッサ、君の真実を、勇気を出してよく書いたね。良い子だ。」ってほめてくれると思うよ。 私は、貴女がこの本を書いてくれたことに心から感謝してる。ありがとう、メリッサ。 これからも貴女のファンで居続けます。そして、応援してます。
Dear Melissa, Thank you for writing your severe and sincere life and honest mind. I love you both 'Laura as a little house girl 'and 'Melissa as a brilliant woman'. May the LORD bless you and be with you.
ローラの物語が子供の頃から好きでした。 ローラの青春時代を描いた岩波文庫のこのシリーズは、 昔の鈴木氏の日本語訳が古くさく言葉使いが乱暴なのが不満でしたが、 この谷口氏の新訳版では美しい日本語に直されており、大変読みやすかった。 ローラの少女時代を描いた福音館の恩地氏の翻訳した大草原シリーズから 読み進むのにも、言葉使いの違いが目立ち過ぎず、大変スムーズ。 ガース・ウィリアムズの挿絵を使っているのも高ポイント。 ローラの物語はやはりこの挿絵でなければ!
この本はお子さん向けの本ですが、大人が読んでも心が安らぐおなはしです。ふと子供のころを思い出して、ローラみたいなくまのぬいぐるみが欲しいなって思ったことを思い出させてくれます。忘れていた心の扉をくまのローラがノックして、楽しかったことや忘れかけていたいろいろなことを思い出させてくれます。 また、挿し絵のローラの表情がとても豊かで楽しさをひきたててくれます。お子さんももちろん、OLの方々にも読んでいただきたい1冊です。
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