キラキラとした美しい電子音が展開していく1と神秘的なドローンが続く2の2曲入り。インド音楽やロックからの影響が強く、現代音楽ファンだけでなく幅広い層にすんなりとオススメできる名作です。 様々な音楽のネタ元になることも多く、未だに色あせない一枚です。
クラシック正規教育を受けたダリル・ウェイ(violin)とフランシス・モンクマン(g.key)の2人に女性ヴォーカリストのソーニャ・クリスティナをフィーチャーした英国プログレバンドの2枚目。記録的予約セールスの1枚目よりもさらに彼らの特色がおしだされた良いアルバムである。クリスティナとウェイの2人がフロントメンバーであるが、編曲とサウンド作りはモンクマンがイニシアティヴをとっている(彼のその後のSKYなどでの活動をみれば明らか)。特に、track 1におけるVCS3シンセサイザーソロの何気ないようで非常に洗練されたフレージングは特筆に値する。ただし、ギターとキーボードの両方を担当しなければならなかった負担は、スタジオではともかく、ライヴではきつかったようである。バンドとして英国では一定の人気と支持を得ながらもこの2枚目で到達したレベルを維持できなかった(モンクマンはその後脱退)原因もその辺にあるのではなかろうか。
イギリスのプログレバンド、カーヴド・エアの4th。1973作 いったんバンドを離れたダリル・ウェイに代わり、若き日のエディ・ジョブソンが参加。 そのことからも現在ではエディファンからの人気が高い作品であり、 バンドのディスコグラフィー中でも異色のアルバムといえるだろう。 サウンドは初期の頃に比べるとずいぶんすっきりと整理されてきていて 軽やかで優雅な演奏に乗るソーニャー・クリスティーナの歌声が美しい。 エディの艶やかなピアノはやはり素晴らしく、またヴァイオリンの方もダリルに負けじと テクニカルに弾きまくっていて、このアルバムをクラシカルに彩っている。 前作「ファンタスマゴリア」とともにバンドの代表作と呼ぶにふさわしい出来だ。
ヴァイオリンが活躍する珍しいタイプのロックだ。ヴァイオリニストはDarryl Wayで「Cheetah」でのスピード感は爽快だ。最後はがおー(謎)
女性ヴォーカリストはSonja Kristinaで「Marie Antoinette」やタイトルナンバー「Phantasmagoria」での歌唱が好ましい。
電気処理したバロック風のナンバー「Ultra-Vivaldi」なんていう曲も面白い。
70年発表の1st。カーヴド・エアはソーニャ・クリスティーナ(vo)、ダリル・ウェイ(vln)、フランシス・モンクマン(k,G)、フロリアン・ピルキント(Dr)、ロブ・マーティン(b)の5人によって結成されたグループであり、その後もメンバー・チェンジを繰り返しながら活動していくが、グループ解散後も様々なグループやソロで活躍していく猛者が多数揃っていた。 ソーニャの美しいというよりは力強いヴォーカルとウェイのヴァイオリンがこのグループの肝であり、この作品ではまだ荒削りではあるもののその点は十分に楽しめる。また矛盾するものの、この作品では以降に見られるようなメンバーの出番の極分化は見られず、各メンバーの見せ場が用意されているところもポイントだと思う。比較的地味なドラマーの出番やベーシストの手による単独曲もあり、バラエティにも富んでいる。全体的にはサイケデリックとブログレを行き来するかのような作品だと思う。
楽曲としてはとにかく1.が素晴しい。ブルース・ロック調の曲が突然ぶった切られてヴァイオリンが出て来るところが鳥肌もの。単に美しいのでは無く狂気じみた開放感のようなものすら感じさせる。2.はウェイのエレクトリック・ヴァイオリンによるバッキングが素晴しい曲。5.は彼らの代表曲の一つでライヴのハイライトだった。緊張感をと美しさを伴ったウェイのヴァイオリンが素晴しいが、時代を反映したかのようなノイズ・サウンドは若干聞き手を選ぶか?(私は大好き) 8.は前記のベーシストのロブの曲。ピアノをバックにウェイのヴァイオリンがソロをとるシンプルな曲だが、混然としたこの作品の中の清涼剤のような役割になっており、シンプルな故の美しさを持ったはかない佳曲である。
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