とても美味しくて、リピーターです。麺は細麺の縮れ麺。調理方にあるように30秒早く火を止めるのが美味しく食べるこつ
本書は、マツコさんが一般的には無名だった時代から続けてきたレディコミでの連載を纏めたもの。
読みながら、過っていく疑問・・・
一つ、人生相談を、それもレディコミに、しかもプランパーの女装相手に、する人が かくもいるものだろうか?
二つ、なぜ相談者として、マサエという名前が複数登場の上に、エで終わる名前の方が かくも多いのだろう?
・・・といっても、本書がガチの人生相談か否かは どうでもいいことだと思います。
しかし、本書をガチの本として論じてしまうと、本書の楽しみ方を半分方無くしてしまうでしょうね。
この本は人生相談としてのクオリティや毒舌(苦笑)マツコ節なんてもんを読むものなのかなぁ?
本書は、人生相談という独特の文体のパスティーシュで、そこにマツコさんの酸いも甘いも噛み分けた果ての人生観を披露しているのではと、思う次第です。
そう読むことで、70kgものダイエットに成功した果てにマツコさんが気付いたこと、そして元に戻った理由とか、家族あるいは愛する人が揃っていることの幸せが繰り返し書かれていることの意味も、とても深く感じられるのではないでしょうか。
「私の友達が悩んでいるんだけど」の友達が常に「私」本人であるように、本書は、回答者のマツコさんこそが、質問者の過去の断片だったり、あるいは読者こそが質問者あるいは回答者に我がことを感じたりというメタな構造になっていたりはしないでしょうか。終盤のデブや同性愛に悩む10代からの相談なんて、正に鏡かアルバムに向き合うマツコさんでしょう。また、親に言えない云々の質問は、親に同性愛者であることを明かせないと、徹子の部屋で吐露したマツコさんを知る者には、物凄く心にしみて来ます。
その点で、私は個々の回答が優れものとは決して思いません。
マツコさんが、ためらいつつも、その人生を吐露したものに優劣などあるはずがありません。
彼女の丁寧な書きぶりに応えるべく、優しく耳を傾ける。そして、自分の心の中を省みる。
そんな本ではないかなぁと思う次第です。
そうそう、人生相談が本になるもんかとも書こうと思いましたが、思い出しましたよ、今は亡き(かな)青春のバイブル「ホットドッグ・プレス」の北方謙三先生の無頼かつ兄貴チックな人生相談を。あれもまた、人生相談を借りた北方節だったなぁと。
巻頭、巻中、巻末は二人の短い対談。
中村うさぎとマツコの、異端者、異質と世間から見られている二人の魂の吐露、雄たけびの書簡がメインを占める本。
二人とも、実に正直な人間だと思った。
また、世間一般の多くの人の生き方に迎合しない(ある意味、できなかった)で生きる事の哀感を感じる。
うさぎは、「幸せなことは退屈な事」「人生に大きな忘れ物をしちゃった気分」と子供をもたない人生を欠落感と表してマツコに吐露している。
それに対するマツコの「人生は孤独との戦いで、人は孤独から解放されることはない」という言葉も胸を打つ。
二人のそれぞれのパンドラの箱の底に書かれている言葉について綴っている部分も、非常に印象的。
本書の中盤では、対談「政と性」、日本の女性政治家についての二人の所見が語られている。
その他、マツコの書簡で最も興味を抱いたのは、映画「追憶」のヒロインについて語られている部分。バーブラ演じるヒロインの生き方に共鳴し、志の気高さに胸を打たれ慟哭した部分。これが私の人生!と書いている。
二人とも自分達との母との関係や思いを綴っていて、たとえ母とは相反する生き方をしていても、彼女(彼)達の人生観や生き方に大きな影響を与えたのは、母ではなかったのかな?と感じ取った。
世迷いごとが、大衆向けの本だとしたら、本書は本来のマツコらしさを出していると思う。
万人受けはしない本かもしれないが、うさぎとマツコの自分自身の本質まで掘り下げた往復書簡。
偽善的な甘ったるい友情を振りかざさない、自らの業と煩悩を包み隠さずに本音を語り合い魂を売った1冊。
平成生まれでも聞いたことのあるような、とても有名で聞き覚えのある素敵な曲がたくさん収録されています。
特に、最後にボーナストラックとして収録されたマングロ−ブさんの歌声は母と親子共々酔いしれる程。
演歌なので好き嫌い別れてしまうと思いますが、ちょっとなつかしさに浸りたい、演歌がどんなものか聞いてみたい、そんな人にお勧めしたいと思います。
TVで活躍する姿はよく見ますが
本職はこちらという事で購入してみました。
マツコさんは基本的に
TVに生身をさらして生きているタレントに対しての
敬意があるのだと思いました。
だから芸能レポーターなんかにありがちな
そう言うお前は何様なんだという
キツイ言い方をしない
冷静さを持っていると感じます。
と同時に全責任をタレント個人に背負わせている
その後ろに隠れている
メディアに関わる大勢の人間の卑怯さを示していると思います。
一方で、大物タレントの強烈な個性を評価するあまり
その短所には目をつむる所があるのが
物足りなさを感じるのですが
それは「何も後ろ盾が無い」からという限界なんでしょう。
でも、自分が何かキツイ物言いをしているとき
それは本当に何の後ろ盾も無く言えてるのかという事を
意識させてくれます。
楽しめましたが
こういうタレント批評本は鮮度が大事だと思うので
買うなら早めに買って
読み終わったらすぐ売るのがいいと思います。
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