原作小説は勿論、2時間ドラマでもお馴染み?の「浅見光彦シリーズ」ドラマCDです。
全体の感想としては、面白く聴くことができました。
ドラマCD化にあたって変に脚色されている部分もなく、原作好きとしても及第点ではないかと。
(それが転じて、全体的に派手さがなく淡々としているという悪い点になる気もしますが)
収録時間は計78分です。キャストトークやおまけはありません。
小説1冊を78分にまとめているので、展開は駆け足です。
ただし、駆け足ではあるのですが、ストーリー全体を圧縮して聞かせるのではなく
“要所の場面は抜き出してそこはきちんと描き、そうでない場面はナレーションで済ます”
という手法がとられており、不思議と場面場面の聞き応えはありました。
声優さんはどの方もイメージぴったりでした。原作の雰囲気を壊していません。
浅見光彦(CV羽多野さん)は、滲み出る育ちの良さや事件に首を突っ込む様、母には弱いところも原作ままでしたし
野上刑事(CV小西さん)は、あの実直な人柄がよく伝わってきました。
個人的には、若手刑事の石川(CV野島さん)がなかなかに良かったなーと思いました。
星四つ付けましたが、それは私が原作既読で元々好きだったからかも…
少なくとも、TVドラマなどで「浅見光彦シリーズ」をなんとなくでも
知っていた方が楽しめるのかなと思いました。
浅見光彦シリーズ。京都を舞台としたこの作品、地元の人にとっては当たり前のことかもしれないが、異なる地域に住む私にとっては、京都の歴史が魅力的でとても興味深かった。ミステリーとしても真犯人にたどりつくまでの息をつかせぬ展開が読み応えたっぷり。もちろん浅見光彦の結婚問題も相変わらず、はらはらとさせてくれた。
下巻の終りに入っている小林由枝さんの京都空想迷路も面白く、ちょっとしたガイドブックとしても楽しめる。今度はこの本を片手に京都の街を歩いてみたい。
水谷豊の浅見光彦シリーズに欠かせないのが、母・雪江役の乙羽信子と、兄・陽一郎役の高橋悦史だろう。 残念ながら、ともに鬼籍に入られているが、その存在感は圧倒的で、水谷豊の光彦もさることながら、雪江と陽一郎がはまり役だという評判がいまだに聞かれる。 光彦を浅見家の厄介者として持て余しながら、その実かわいくて仕方がない乙羽の雪江未亡人、元々エリートの役柄が多いため、警察庁刑事局長の肩書きに違和感がない高橋の陽一郎、特に高橋悦史は、光彦と別れ際の手の振り方など、細やかな演技が鮮烈で、今でも目に焼き付いて離れない。 ちなみに、原作では浅見家は北区西ケ原に存在することになっているが、このドラマシリーズでは、世田谷区に移動されている。 本DVD-BOXに収録されているある作品で、雪江未亡人に個展の招待状が届くが、ぜひその住所に注目してもらいたい。
いつもの浅見シリーズとは違い、恋愛的要素がない。兄が刑事局長とばれることも無い。人と人との絡みもさらさらしていて味気ない感じがした。犯人も途中で予想がついた。
石川の内灘砂丘のイメージからタイトルのついたと思うのだが、全体的にイマイチでした。
今回面白いのは、推理に自信を持って事件の関係者と対決する浅見光彦君が、どういう目に遭うかです。これまでどちらかというと、神懸かり的な推理力で事件を解決してきた印象のある名探偵ですが、今回ばかりは少し空回りします。しかも、20歳そこそこのヒロインから40代の魅力的な女性まで、京女に翻弄されっぱなし。寂光院の放火事件や祇園祭での事故など、本当の事件もふんだんに出て来て、内容は盛りだくさん。読者は浅見さんとともに、京の町家暮らしやグルメを味わううちに、事件の謎を追い、意外な犯人にたどり着く……内田ミステリの王道的作品だと思います。
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