小説 遙かなる時空の中で2 八葉幻夢譚(はちようげんむたん)
遥か2の外伝で、同じ四神同士の2人が主役となる中編小説です。
内容は、玄武組「地獄絵」朱雀組「夢路にて」
白虎組「馬盗人」青龍組「妄執の檻」の4本。
内、前3本は「はるか通信」「ネオロマンス通信Cure!」に連載
していたものの収録ですが、青龍組の1本は書き下ろしだそうです。
1話は泰継さん、2話はイサト君、3話「馬盗人」は幸鷹さん、
4話では勝真さんの視点で話が進みます。
私的には、特にイサト君と勝真さんの心の葛藤みたいなものが
ちゃんと書かれているのがとってもお気に入りですね。
あと、意外?に相手のことをみている泰継さんもv
挿画もとても格好良くて、何よりお話の雰囲気にピッタリですし☆
ですが。
星4つなのは、外伝ということだからでしょうか、
紫苑君や、アクラム様やシリン、和仁様や時朝が登場しない事が・・泣
まぁそれはそれで良いとも思うんですが、
個人的にアクラム様や宮様が好きな私にとっては残念だったので。(笑)
何はともあれ、買って損はないです!
エデン
「サクリファイス」の続編。ところどころ前作品の内容を匂わす箇所がありますが、それを気にしなければ独立した作品として読んでも差し支えないと思います。
今回は自転車競技の物語であってミステリーではないですね。
確かに前作のような展開を期待している読者には盛り上がりに欠け「エッ?これで終わり?」と感じられるかもしれませんが、私はスポーツの世界に的を絞って描いた今作もすっきりしていて悪くないと思います。登場人物たちが様々な葛藤を抱えて揺れ動きつつも、感情をむき出しにしたりぶつけあったりすることなく淡々と物語が進む感じも好みでした。
主人公・チカの人柄や競技者としての役割が、割と地味目なところがより一層この物語を興味深くしているのではないかな、とも思いました。表彰台に上がり華々しく振舞うスター選手の影にあるイロイロなドラマに改めて気づかされますよね。
大袈裟な言い方ですが、「サクリファイス」「エデン」の2作品を読まなければ、きっと私は自転車競技のなんたるやを全く知らないまま人生を終えたのではないかと思います。そういう意味でも、日々の生活には全く馴染みのない自転車競技の奥深い世界へ誘ってくれる貴重な作品と言えるでしょう。続編を希望します。
モップの魔女は呪文を知ってる (実業之日本社文庫)
待望のキリコシリーズ第3弾。
スポーツジムで起こった火傷事件。
飼い猫が入れ替わった事件。
病院内に見つかった魔女の話。
妹を誤って殺してしまった女実業家の話。
今回もちょっとした事件をキリコが解決していく・・・。
はずなんだけど、
今回はあまり表立って活躍はしていません。
もちろん、謎解きはキリコがやるんだけど、
なんとなくキリコは脇に回っているような感じがして
ちょっと不完全燃焼でした。
キリコらしさが十分に出ているとは思えないですが、
それでも十分に楽しめます。
残念なのは、
今回大介がまったく出ていないということと。
悲しむキリコの姿が多かった、ってとこですね。
サクリファイス (新潮文庫)
確かに、読み物として面白い。いっきに、読み終えてしまう。さて、読後の印象は、はたしてスポーツものの清涼感はあるのだろうか。なにか、違う様な、なにか重たいものが心にのこるような...。必ずしも、ストーリーも完全ではなく、少し違和感を感じる部分もある。どうして、と素朴に疑問が残る部分もあるが、それでも読み手を楽しませる作品であることには間違えない。おそらく、続編を読み続ければ、読後に感じた違和感も、心の中に吸収されるのだろう。ただ、確かに面白い一冊であることは、間違えない。