The Ragamuffin Gospel (Playaway Adult Nonfiction)
神の愛と恵みに関して語らしたら、ブレナン・マニングは、恐らく今世紀最高の人物の一人だろう。スタンフォード(だとおもったが)大学で神学を教えたほどの教養の高さと、アルコール依存症にまで落ちぶれた所から神の無条件の恵みによって立ち上がった自らの神との深い交わりが彼のメッセージを類まれなものにしている。
本書はマニングの代表作といえる作品である。1990年の出版以来、本書を読んで神の恵みの「広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解する力を持つように」なった多くの人々によってさまざまな事業を生み出されてきた。そのテーマは八つの曲を生み出し、故リッチ・マリンズはラガマフィン・バンドを結成し、マイケル・W・スミスは作曲し、「ラガマフィンの祈り」が出版され、四つの絵画が描かれ、三つの本屋ができ、ラガマフィンの名をつけたいくつかの詩が作られた。カトリック信者だけでなく、マックス・ルケード、フィリップ・ヤンシー、ユージーン・ピーターソンといった思慮深い福音派の人々から絶大な支持を得ている。
本書はクリスチャンであっても信仰生活に苦しみを覚えている人々、クリスチャンではないが、聖書が教える神はいったいどんな方なのかを知りたいと願っている人々にとって最高の手引書である。私は数多くのキリスト教や聖書関連の本を読んできたが、その中のトップテンを揚げよといわれたら、間違いなくこの本はその上位を占めるだろう。
ムック アコースティックギターマガジン Vol.23 CD付 マイケル・ヘッジス マイケル・ヘッジス (リットーミュージック・ムック)
マイケルヘッジス特集は生前最後のインタビューやら
使用ギター一覧、作品解説など、ファン必読。
Ragamuffin がTAB譜で掲載。
ヘッジスの楽譜の楽曲は数が少ないだけに
これはうれしい。
マーシーの夏 (集英社文庫)
この作品はヤングアダルトに属するのだろうか?
17歳、高校を卒業したばかりのマーシーは、就職前の最後の夏休みをぼんやりとすごしていた。父を亡くし、下宿屋を営んでいる母子にはカレッジに行く学費もない。
しかし、下宿人の人形作家オメリアヌクの死と、新しくやってきた下宿人のモデルのフォリーの登場により、マーシーの夏は大きく変わり始める。
やがて、マーシーと下宿人たちはオメリアヌクの残した人形を使って人形劇場をオープンする。そしてそれぞれが自分のすべきこと、やりたいことを見つけ、前に向かって歩き始める。
あらすじを書くと、ごく平和な物語のような感じがするが、ドロシー・ギルマン氏は人間描写がとてもうまいのだと思う。どろどろとした人間関係はなくとも、人の心には表面に出ない嫉妬心や不安があるのだと頷かされる。『おばちゃまシリーズ』もそうだが、物語の設定に現実味がなくとも、人間描写にリアリティがあればジャンルを越えて心に残る作品になるのだと思う。
原書は未読だが、翻訳家の柳沢由美子氏の読解力、日本語力も素晴らしいのだろう。