花淫れ (角川文庫)
本書は池永氏の世界を表現しているのであろうか?著者の作品ははじめて読んだから・・・詳しくはわからない。
それにしても、おどろおどろしい生臭い薫りの作品に仕上がっている。底なし沼のように引き込まれていく、その世界観はじわじわとしていて、力強い。しかも、かなりエロティックである。
でいごの花の下に (集英社文庫)
沖縄が好き、ただそれだけの理由でこの本を手にしましたが、とても考えさせられる内容で、一気に読み終えました。太陽の下の明るい沖縄だけではない、戦後60年経っても尚、色濃く残る沖縄戦の名残と言うにはおこがましい苦悩が鮮やかに筆者の文脈で蘇ってきます。ぜひ、読んでほしい1冊です。
走るジイサン (集英社文庫)
頭の悪い私にはよくわからなかった。
老人の悲哀みたいなことばかりが書かれてあるのも気になった。
小説すばるって若い人の話しか受賞できないと思っていたが、こういった内容
でも受賞できるんだって新しい発見があった。
個人的には好きな話ではあるのだけど。
となりの用心棒 (角川文庫)
沖縄出身の勇作は父親の顔も母親の顔も知らず、祖父のもとで育てられた。その祖父から教えられた空手を武器にアメリカへ渡り、帰国後に夏子の家に婿養子に入る。そして夏子の勧めから一念発起して空手道場を開くのだが、思うように門下生は集まらず。その代わりに頭を抱えるような相談事ばかり……。
物語は、ちょっと切ない現代のヒーローを描いた作品。物語の舞台が商店街ということもあって、登場人物は非常に多く、そのため設定が込み入りすぎていましたが、それぞれに個性ある登場人物で、展開も中々面白かったです。ただ主人公のキャラクターが弱く感じ、もう少し個性的に描けば、更に展開の幅も広がったとは思えました。