このプリキュアの着ぐるみが何とも微妙。可愛いともいえないし、セクシーさも感じさせない。一緒に見た娘もプリキュアとは認識しているが、なかなか感情移入できなかったようだ。アニメと同じではなくても、かつてのセーラームーンのミュージカルのように生身の人間が動いた方が感情移入しやすいのではないだろうか。
着ぐるみに違和感はおぼえながらも、大人の目から見てもストーリーはなかなか工夫されている。最初の変身シーンも「なるほど」と唸らされた。DVDでも一見の価値はある。
アカデミー作品賞受賞作ということですが、「普通に良いお話」。 最近はそんな物語こそが高く評価されるようになったんですねぇ。
個人的には十分楽しめましたが印象としては「ずいぶん地味(または小粒)だな」といったところでしょうか。 英国王室を題材にしながら、それを取り立てて強調するのではなく、ある意味逆手に取って、主人公と彼を取り巻くささやかな人間関係に焦点を当てたドラマ。 うまくまとめられた非常にスマートな作品という気がしました。 お話そのものに強烈なインパクトがあるわけでも、時代に翻弄されるスペクタクルを描くわけでもありません。 したがってアカデミー賞受賞!という惹句に期待しすぎると肩透かしを食った気分になる方もいらっしゃるかもしれません。
本作は物語そのものというよりは、やはり演技を楽しむ作品でしょう。 ジェフリー・ラッシュとコリン・ファースのニュアンスに満ちた競演はやはり見応えがありました。 大体ここのところ、特にアメリカ映画は役者の演技をじっくりと物語の中心に据えるような作品がほとんど見当たらなくなっているわけで、その意味でとても新鮮に感じられました。 最近メキメキと頭角を現してきたファース氏もお見事ですが、ジェフリー・ラッシュも例の海賊映画とは見違えるようにやる気を見せており、さすがです。
興味深いのは本作が英・米そして豪の合作であること。ラッシュ氏がオーストラリア人であるだけでなく王位を返上するエドワード8世を演じたガイ・ピアースも同様。 実際にはピアース氏の方が弟役のファース氏よりかなり年下なのですが、これはもともと主演はファース氏ではなくポール・ベタニー氏がキャスティングされていたためだそうです。 確かに「兄弟」と言う点ではピアース&ベタニ―の方がしっくり来る気がしますね。
英国王室のある意味で「陰」ともいえる点からも目を背けずにドラマに仕立ててしまう制作意欲も大したものだが それを認める度量にもやはり感心させられるものがありますな。
音楽の控えめな使い方にも配慮があってよかったです。
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