川畠成道さんの演奏を聴き大変感動したのでこの本を買いました。
父親の素朴な文体から、成道さんが暖かな家族とともに歩んできた道を理解できました。
「イタリアのさわやかさ、そのままが私にとってのヴィヴァルディの四季である」そう川畠氏は述べている。たしかに全体の印象は「さわやか」だった。多少音程の不安定はあったものの、明るい音色で、ロンザーノ教会での響きと共にボローニャ歌劇場管弦楽団がとても良い演奏をしている。クラシックにあまり馴染みの無い人でも、朝をクラシックで目覚めたいという人にお薦めだと思う。小鳥のさえずりを聴いているみたいで楽しい気持になる。
ただし「四季」という楽曲を極めて聴きたいという人にとっては物足りないかもしれない。夏の稲妻と雷の襲う部分もさわやかなのだ。また冬も氷の上を恐る恐る歩いたり、寒さで歯がガチガチなるような様子は見えない。川畠氏が、嵐や台風の中、農作物の心配をしながら暴風の中を歩くということは経験してないのだろうから想像しにくかったのかも知れないし、逆に今どきそういう作業をしない時代なので現代の時代に沿った四季の解釈ともとれる。また、収穫の悦びに酔っ払って千鳥足になるという部分も、本人は経験が無いのか美しく仕上げてあったという印象だ。しかし、冬のラルゴは恵みの雨がとても美しい。ここはさすがだなと思う。クレーメルは薪のはじける音と解釈していたが川畠氏は雨の方の解釈をとった。私も雨の方が好きで美しく歌い上げて欲しい部分なので嬉しい。また、じっくり聴いていくと川畠氏の美しいViも健在ではある。
バッハの2つのヴァイオリンのための協奏曲は、第2ヴァイオリンのエマヌエーレ(顔写真の紹介が無いのが残念だった)が深い味わいの演奏をしていてよく川畠氏とマッチしている。少し残響が響きすぎる気もするがヴィヴァルディの四季と似た感じに仕上げてあるので、さらりと聴けるのではないだろうか。私としては、川畠氏の折角持っている高音の美しい部分を伸び伸びと聴かせる部分もほしかったのだが。
とにかく全体のキーワードは「川畠成道の感じたイタリアのさわやかさ」。朝、会社に行く前に聴いていくのには最高だと思う。
成道氏はどの曲も独特な雰囲気が感じられ、またそれが素晴らしいと思います。 テクニックはもちろんですが、曲の雰囲気がとても私には表現できないくらい素晴らしい。 バイオリンのCDの購入を考えている人はこれを買うと間違いなしです。 ザ・ベストなので聞ける曲が入っているのも魅力です。
小品集でありながら、聴いた後の感想は、まるでソナタを聴いた後の様な感じがするほど、とても充実したCDだと思います。特にタイトルにもなっているアヴェ・マリアは素晴らしかった!魂が清められる演奏とは、こういうものかと思いました。その他の曲も、川畠さんらしい特徴を出しながらも、それぞれの作曲家や曲の特徴を大切にしながら演奏しているのだなというのが伝わってきました。夏の名残りのばらも素晴らしい、聞き応えのある名演だと思います。ヴァイオリンからこれほどのバラエティある音を出せるものかと驚きました。大切にしたい一枚です。
川畠成道はヴァイオリストである。 この本を読む前にまずは彼の音楽を聴いてほしい。 私は普段、ロックやR&Bを中心に音楽を聞いているが たまたまレコード屋でクラシックの視聴があったので聞いてみたら 感動!感動!感動! 視聴したのは二作目の「アヴェマリア」でしたが、 即購入してずっと聞いていました。 私は名前は全然知らなかったのですが、俄然どういう人なのか 知りたくなりこの本の存在を知り読みました。 もし、第三者が彼について書くとしたら 「苦難を乗り越えたサクセスストーリー」となるでしょう。 これは第三者的な見方で、じっさいの本人による説明となると 素朴に自分の人生を邁進している姿が書かれています。 目が見えないことがヴァイオリンを弾くきっかけとなりますが、 一流になるためには、音楽が好きだからというだけではなく 「職業としての音楽家」のプレッシャーにも打ち克つことが必要です。 第三者的に見れば才能があると不安なんかないように見えますが、 「職業としての音楽家」になることへの自問自答は 私たち学生にも共感できるのではないでしょうか。
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