すでに他のレビュワーの方たちが書いておられるようにこれまでと 相当に違うアルバムになっています。
従来のようにサラのメインボーカルが聞かれる曲が少ないのです。 1曲目は一番従来に近いスタイルで主体になって歌います。 2曲目はかなり以前のミュージカルナンバーを歌う感じで相当声を張って はっきりとした歌唱をします。 3曲目からだんだんとオケやコーラスと渾然としてきます。 6、8、9では戻ってくるものの、その他の曲はまるでたとえばエンヤの アルバムのように雰囲気を重視した造りです。曲名こそ10曲に刻まれていますが むしろ曲間を空けずに聞き流せたらより効果的かも知れません。
このアルバム作りは私は少し残念なのです。 サラの美しい声や、パフォーマンスをあまり味わえず、新しい展開を求めたことが リスキーにも思えます。従来のファンが逃げていかなければ良いのですが・・
この新しさを、新しい曲のジャンルやたとえばゆったりと流れるボサノバなど に求めて、そう!! この11曲目のようなジャパネスクもいい、こうした曲を取り上げ てコンセプトにまとめ、そして歌唱は、美声・音域・声量を追求して、雰囲気作りは 教会ライブなどの天然の響きを取り入れるなどしてくれたらうれしいと考えます。
このアルバムはまとまりとしては新規性のある中でよく統率されていますが、時々 サラはどこへ行った?と感じてしまうのが残念です。 サラの長年のファンとして評価は迷いつつも辛く付けさせてください。
「風の通り道」は、ボーナストラックだけあって他の10曲から浮いていますが、 歌詞の発音も相当良く、トトロの挿入曲でもののけ姫のテーマのような雰囲気が 良い意味での新鮮さを感じます。これは海外で人気のある、ジャパンアニメーションの テーマを特集したコンセプトアルバムに繋げていけたらよいのになと感じました。
アンドリュー・ロイド=ウェバーの50歳の誕生日を祝った、98年のロイヤル・アルバート・ホールでのコンサート。
曲と歌のレヴェルは高く、十分満足できる内容。しかし、このパッケージに解説はついていないので、ミュージカル通の人でないと誰が歌っているのかわかりづらい。日本語字幕はほとんどコンサート最後のアンドリュー本人のスピーチのためだけにある。11年発売のエディションのレビュアーの方が曲目と歌手のリストを載せてくれている。それがなければ私にはすべての歌手の名前がわからなかった。
ステージに司会者はおらず、派手な仕掛けがそうある訳ではなく、粛々とプログラム通りに進行する、中身で勝負のコンサート。グレン・クローズのサンセット大通りが観客に一番受けている。キリ・テ・カナワは別格。
画面サイズは4:3。BDを見慣れた目では画質が少し物足りない。廉価DVDなので、致し方ないことではあるが。
森麻紀さんのCD「アヴェ・マリア」を聴いていますと、見事なコロラトゥーラ歌唱、澄み通る透明感のある美声に感心させられます。
好きであるコロラトゥーラ・ソプラノのエディト・マティス(Edith Mathis)の後を継ぐ歌手として良いのでは無いかと思っています。
エディト・マティスも美人顔でしたが、森麻紀さんも気品のある美人顔、1963年のベーム初来日時に「フィガロの結婚」でケルビーノを演じてその愛らしい舞台姿が評判となったマティスを彷彿とさせます。
マティスも既に70才を越えているので、後継者とぴったり、森麻紀さんのバッハ・カンタータにも期待する処大きいものがあります。
彼女が今回のCD解説に、「聖書の言葉やお祈りは、キリスト教徒だけのためではなく、全ての人の為にあります。困難な時にも、母の様な大きな愛をもってマリア様が見守って下さる。音楽もマリア様のように、すべての人を幸せにする為にあるのだと信じています」と挨拶文を書いていますが、この様な真摯で奥床しいのも麻紀さんの魅力でもあります。
癒されます。夕飯の準備や編み物をしたり 聞きながら 過ごしています。
サラの美しい歌声と大聖堂の荘厳な雰囲気がぴったり。ウィーンにワープしたような気分に浸れます クリスマスプレゼントにもいいかもしれませんね。
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