今後期待できる清水博子の処女作。この人はじつはかなり文章が巧いし、それに金井美恵子直結の作家だからどうしたって気になる。この人にとって金井美恵子は「どうして私たちはあの作家がこんなに気になるのだろう」という存在のよう。 で、この作品が注目なのは、もしかしてあの作家では? と思わせる女性作家が作品の中に登場するから。生活にだらしがなくて、話をすればひどく俗っぽくて、兄弟と住んでいる、と言えば??? 作者はそのいわくありげな作家について卒論を書こうとする女子学生で、ひょんなことからその作家本人のことを知ってしまい……という展開。しかしそれは文学とは何か?という真摯な問いかけから生まれた設定でもあって、文学とはようするに知らず知らずのうちに感染しちゃうものだ、ってことが書かれているのかもしれない。舞台となっている下北沢の町の描写がじつは一番魅力的だったりする。おすすめ。
10年ほど前は、会社のシステムを担当していて、いくつかアクセスで業務システムを作成していた。その後全く違う仕事を担当し、再びアクセスを使う仕事の後任を務めている。そのブランクのためアクセスで画面を作成する方法等を殆ど忘れてしまい、困ったためネットで有用な書籍を検索した結果、本書を含めて3冊見つかりすぐに購入。本書については、実際にフォームを作りながら「どんなことができるのだろうか」或いは「こういうことをしたいのだが、どういうふうにすれば出来るのだろうか」という疑問に、とても役立った。ただし、実際の作り方を懇切丁寧に記載している訳ではないので、その点は別の本、例えば「開発者のためのAccess2000/2002 迷わず使えるフォーム作成法」を参照した。実際の業務で必要とされるのはフォームやレポートであり、色々な例が簡潔に紹介されているため有用である。2007年対応の本も出ているが、基本的な部分が参照できれば良いので安くなっている2003対応の本書を購入した次第。実際に業務で作成する必要に迫られている人に最適な1冊である。
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[追加コメント]
業務システム開発中で、フォームにおけるフィルタの使用方法で躓いていました。改めて本書をチェックすると、何と4通りにわたって実用的な記述が書いてあるではありませんか。
従って、星6つ(違反?)と致しました。
これまで、事例集やVBAの教科書など、ACCESSの本は、20冊余り買いましたが、どれも、策士策におぼれるという感じで、テクニックはすごいけど、ちょっと使う場面がない事例が多かったのに比べ、この本には、かゆいところに手が届く事例が多く、やりたかったことがずばり載っていました。たとえば、集計レポートの作成なんて、日常の事務仕事には避けて通れない表ですが、以外と載っていません。この本には、しっかり載っていたので、助かりました。わがままをいうと、サンプル集をWEB上に掲載して、落とせるようにしてもらえれば、言うことはありません。
最初から最後まで日記の体裁で書かれた小説というのは、昔からかなりあるが、本作はそれに2つのひねりを加えている。 1つ目は姉妹の日記が、日付順にほぼ交互に(時々一方が日記をつけない日もあるのだが)書かれているという点。どちらが書いたのか最初から明確にするため、文体だけでなく日付の入れ方も変えている。 そしてもう1点、妹の方が日記をWEBで公開しているということ。姉を始め、他人がその日記を自由に読めることが、意味を持ってくるのだ。公開内容に対してクレームが来たことまで書いたりして。 この姉妹、不愉快な人間ということではどっちもどっちであるが、妹の方が公開日記を始めた1月1日から、その年12月31日まで1年間の話である。期限で区切られているので、結末らしい結末になっているわけではないが、かなり問題のある二人の関係など、なかなかおもしろかった。
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