ミッドナイト
バーブフォーキャストとは契約を打ち切り、ゼブラレーベルへ。初期の音に戻っている。アナログ楽器を中心に展開=ハモンド、ローズピアノ、クラビネット。一時は=80年代はテクノじみたことまで実験していたこの人物。ウオーターサインのころにもどったようだ。バジーフェイトンの参加がうれしい。自分のルーツにもどった感じ。
アタッキーでパーカッシブなジェフの鍵盤プレーが好きな人におすすめ
10点中8点 レトロフュージョン=時代はひとめぐり
グルーヴォロジィ
Groovology。ナルホド、いいタイトルをつけますね。
私にとってはそんなタイトルトラックの2曲目が圧巻でした。彼のアルバムには1曲位、全くセルフで作ってしまうトラックがありますが、そういった類の曲です。音数が少なくてcomputerizeされ、無機質な音使い。その中でCoolな情熱を秘めた彼のSaxが絡む、まさにGroovyな1曲です。その他medium~upものが全て当りです。
"We fall down"だけはちょっと間延びしたような感じでイマイチでしたが、そんなマイナス面も打ち負かすような他の楽曲群です。
Jeff Lorber Fusion
現在では、Smooth Jazzの生みの親とも呼ばれる、Mr.Smooth Jazzの、1977年に発売された1stアルバム。そして、そのMr Smooth Jazzの1stアルバムのタイトルは、その名も、"The Jeff Lorber Fusion"。
タイトル、それだけでもFusionファン、Smooth Jazzファンは絶対買いなワケでして、内容についても名前負けしない、「どフュージョン」が展開されています(このアルバムの内容についてはそうとしか表現出来ないなー。なんたってアルバムタイトルが・・・)。
おまけに、アナログ盤ではジャケ違いで収録楽曲が違っていた("Poppin'"と、"River Winds"は互い違いで入っていた)わけですが今回は両方入ってます。ちょっと嬉しいかも。Wounded Bird Recordさん、ヤルじゃん。
何はともあれ、廃盤になって法外な値段で売買される前に手に入れるべきです(大体Inner Cityなんて一般人から見ればマイナーなレーベルの30年前の歌無しインストアナログ盤が再発されるなんて奇跡としか言いようがない)。関係者諸氏に感謝したいですナ。
ハロー・トゥモロウ
やや辛口評価にしました。Dave Kozだし、ジャケットも爽やかさ満点なので、Can't Let You Go
(The Sha la Song)みたいな爽やかな曲が満載なのではないかという過度の期待を持って購入し
ましたが、自分としては、やや不満足です。Dave KozはSmooth Jazz系の人気アーティストです
から、もっとSmooth Jazz界を牽引し盛り上げるようなすばらしいアルバムを作ってもらわないと困
ります。出だしの1,2曲目はクールでけだるい感じの曲で、良い曲と言えば良い曲だけど、冒頭
に持ってくるようなパンチのある曲ではないと思います。3曲目だけ名曲レベルと言えるバラード
曲ですが、中盤はボーカル曲も3曲ほどあり、まあまあといったレベル、終盤やや盛り返し10曲目
などは良い感じのセンチメンタルな曲ですがDave Kozの代表曲と言えるレベルの曲ではないと
思います。Brian Cullbertsonも作曲に加わっているにもかかわらずSteve Coleの1stアルバム
「Stay Awhile」で見せたような作曲手腕は発揮されていないように思います。Smooth Jazzは日本
では市民権を得ている状態とは言えず、Fusionファンなども80年代初頭で時間が止まっており、
知る人ぞ知る音楽なのですから人気アーティストがすばらしい作品を出してもらわないと先細りに
なってしまいます。今までの作品では、やはりAlbum「The Dance」が最高でしょう。
ギャラクシアン
御案内させていただきます。スラップベースがはねまくるファンキーチューンからスタート。これなどまさしくR&B。ジェフローバーが激しく黒人音楽に『傾斜して、かつdedicate』していた時期。サウンド的には『エレクトロディスコ』と言えばわかるはず。バンド内には黒人2名。そしてまだまだ若造の=ケニーGがスケール練習のような単調でへんなフルートソロを聞かせています。
バンマスのジェフはやはりインストオンリーの楽曲では(2)、現在のスムーズジャズのプロトタイプとでも言えそうなマテリアルを披露。今から24年前の録音ですのでさすがにシンセはアナログメイン。
80年代頭ですでにスムーズジャズ的なアプローチを開始していたのはすごいのだけれど、『楽曲のパターンがマンネリ化していた』こともこれまた事実。シンセで『跳ねるリズムを刻み、かつ本来ボーカリストが歌うラインをなぞる手法』も手あかがつきすぎで新鮮みが薄れていた時期=フュージョンが衰退してるという時期=。
特にどうのこうのはないのですが、『ディスコリズム』『ファンキーなシンセプレー』『マイルドでレイドバックしたサウンド』『ボーカルが入ったR&B』を許せる心の広いかたに合うかも。ずばりいえば『テレビの天気予報の番組のバックに流す』のに最適かも。自分の生活を乱さない安全な音楽が必要な人にも合うかもしれない。このアルバムだけで判断すればケニーGには残念ながら才能がないと思われ(テクはあるよ)。トータルでこれだという楽曲が散見できず残念。
(5点)