心をリラックスするために弾くにはうってつけです。「純情きらり」で流れていたオープニング等の音楽がピアノで簡単に弾きたい方にお勧めです。ただ私は、連続テレビ小説の音楽では、「あぐり」の方が断然好きですので、この本を購入したことでさらにその思いが強まってしまいました。
やわらかく爽やかな音楽が心地よく、“あすか”と並ぶNHK連ドラでの大島ミチル氏の傑作だと思います。
戦中という、人々の運命を大きく変えてしまった時代に生きた人たちのドラマ。主役の二人がとても清々しくてよかった。助演もぴったりドラマにはまっていて、久しぶりに朝ドラを毎日録画して見ていました…が、全体的にはやはり切ない話です。最終回で本気で号泣してしまいました。
読むのに根気がいりましたが、生を受けた者の尊厳を考えさせられた作品です。
先ず、登場人物が多く、登場人物の相関関係図が必要と思った。
富士山噴火の歴史。鉱山技師そして学者である父、有森源一郎が採掘した鉱石の話。
末っ子、有森勇太郎の回想ー戦前、戦中、戦後の時代を通した有森家のルーツ、家族が歩んだ道。
又、勇太郎以外の回想もあり、上巻は時間軸まで混乱してしまった。
しかし下巻は、無頼家の画家ー杉冬吾の情死、姉ーさくらの出産から結核による死までを中心にストリーは進む。
家の没落、家族の離反と絆、情死した夫の残された妻、
自分の遺伝子を残そうとする女性の強さ、壮絶な出産、
死への恐怖、兄弟姉妹とはいえ貧しい者同士が手助けできる限界。
一つ一つ丁寧な描写は作者の想い、力量が私の体中を一気に駆け抜け、
「死ぬ時に、ああ、私にはもっと別の人生があった筈なのに、と
自分の生涯を後悔しなければならない程親不孝な事があるだろうか」
この一節に最後は震える想いでした。
NHKの朝ドラ、「純情きらり」は最初は見たりみなかったりだったのですが、桜子がピアノの勉強をするため愛知の岡崎をとび出し、画家や音楽家やダンサーの卵たちの集う東京・谷中のマロニエ荘に住みつくところから が然面白くなってきてなるべく欠かさず見るようになりました。
浅草のダンス・ホールで三たび、セントルイス・ブルースに出会って桜子が目を輝かすところ、直道先生(劇団ひとり)との再会が果たせず、桜子が消沈しているのを見かねた画家の冬吾さんに連れられて、映画「オーケストラの少女」を見にいき、ストコフスキーの指揮が良かったよ、と嬉しそうにする場面などはドラマとわかっていても応援したくなるほどでした。ダンス・ホール通いがバレて、名門 西園寺塾をクビになりそうになったとき、誰も弾けなかった西園寺先生の即興曲を耳で覚えて見事にアレンジして弾いてしまうところも感動ものでした。
現在は戦争に巻き込まれて音楽も何もない状況で、ここらあたりからは見る人の想像力に負うところが大きいようです。
残念ながら、あらすじは途中までしか書いていないので、最後は悲劇になるのか、ハッピー・エンドになるのかわかりません。それとも、サクセス・ストーリー?。
とりあえずは1家に1冊、あると便利なガイド・ブックです。
|