EDIが音楽聴きながら攻撃する時の(確か6曲目のBuller-proof skingだったかな)を車でガンガンかけたいが為に買いましたが、こりゃ予想外、じっくり聴いたらみんなイイ! BTのスコアの方も欲しくなるほどハマってます。ヘタな海外ミュージシャンの買うよか全然お勧めですよ。
基本的に70年代中盤くらいで音楽が止まっている頑迷固陋な筆者は、最近の音楽にどうも感情移入できない。昔はよかったなんていいたくもないが、本当にピンと来ないのだから仕方ない。だからこのライヴも、往年の名曲を最近の(といっても1996年だが)パープルがどう料理するのかという聴き方をしてしまう。
さてイアン・ギラン。全盛期を遠く過ぎたこのベテラン・ハードロック・シンガーをどう考えたらいいのか。「あ〜だめだ、やっぱ声が出てないよな〜」という部分も確かにあるが、「いやいや、この年で結構がんばってるじゃないか」という所もないわけではない。昔が凄すぎたのだ、老いるってこういうことなのねと人生を考えさせられつつ、気がつけば応援モードになっている。
それにしてもスティーヴ・モーズ。年老いた筆者にはこの超高速ギタリストは正直耐え難い。わかった。君が凄いのはよ〜っくわかった。だからもう少しフツーに弾こうよ。ね、でもきっとコイツだって憧れの先輩達に敬意を払いつつ、ぶち壊しにならないように気を遣いながら真剣にやってるんだよな。それもまたよく判る。うん、なかなかいい奴なんだ。
そしてジョン・ロード。1996年当時は55歳のはずだが、このプレイには正直驚いた。全盛期と比べてまったく遜色なし。リズムも乱れないしフレーズも若い。男気を感じさせるガッツ溢れる演奏で、超高速モーズと張り合うSpeed Kingには惚れ惚れする。ハードロック・オルガンの創始者にして第一人者は、まだまだ若い者に負けはしない。
結論としてこのライヴは予想以上に楽しめた。昔はやっていなかった曲が聴けるのも嬉しいし、「Purpendicular」の曲もライヴで聴くと随分良かった。チームワークが良くて破綻がないところがパープルらしくないともいえるが、人をバカにしたような第3/4期の演奏より遥かにいい。こうなったら死ぬまでやれといいたい。
Glenn Hughes(グレンヒューズ)の新作Music For The Divineが発売された。前作Soul Moverから漸く自身のロックを昇華させたGlenn。今作も前作の延長線上にある作品となっている。ライナーにも書いてある通り前作前までのGlennは自身の嗜好であるファンキーミュージックとDeep Purpleファンが望むハードロックの間でフラフラしていたのだがチャドスミスとの出会いによりSoul Moverからファンが望むものとファンキー&趣味的な音楽を見事に融合させてGlenn Hughes Musicを完成させた。そういった意味ではHTPは重要な分岐点だったと思う。この点に置いてはJoe Lynn Turnerに感謝。GlennにPurple的要素を望むファンはキツイかも知れないがGlennの嗜好を理解していてその良さが分かるロックファンには堪らないアルバムとなっている。チャドは素晴らしいドラムを披露、またJJマーシュはアルバムが発売される毎にGlennの何たるかを理解したギターを披露している。日本でももう少し彼が評価されてしかるべきだと思うのは自分だけだろうか?とにかくSoul Moverをカッコいいと思った人には絶対にお勧めの快作であることは間違いない。
スティーブ・タイラーの声はやっぱり誰にも真似できないけど、エアロの楽曲をこうして他の角度から聴いてみるのも悪くないなぁ~ でも、エアロはスティーブあってこそだって改めて思った。
71年発表の6作目。『イン・ロック』と『マシン・ヘッド』という歴史的な名盤に挟まれているだけに地味なポジションにならざるを得ない作品だが、第二期という黄金時代の作品なだけにそのクオリティは文句の付けようもない。ツアーの合間を縫っての録音ということで、当時のメンバーの多忙ぶりが伺えるが、そういった時間不足が影響して幾分シンプルなアレンジになってる曲が多いものの、その分彼らの引き出しの多さを伺わせるようなバラエティに跳んだ楽曲が並んでいる。
1.はストレートなハード・ロックだが、ベードラの連打などを含めて地味にドラムスが凄い。おそらく次作がなければ高い評価を受けるであろう曲である。2.は第三期を彷佛とさせるファンキーなナンバー。比較的リラックスした雰囲気だが、延び延びとした自由なギター・ソロが聞き応えあり。3.はこの時期の代表曲の一つ。シャッフル調のパープルらしい曲だ。4.は彼らにしては非常に珍しいカントリー・ロック。悪くはない出来だが、彼らのイメージにはやや相応しくないかもしれない。スティール・ギター (スライド?) やホンキー・トンク風のピアノなど聴きどころは多い。5.はサイケ風味も感じさせる60年代風のギター・ポップになっているが、第一期のものと比べるときらびやかでポップな印象。オルガンのトーンがチープでいい味が出ている。
全体的にパープルという枠からはみ出たかのような楽曲も目立つが、それだけにおもしろいかもしれない。前作でいきなり物凄い作品を作り上げてしまい、他にもやりたかったことがここに出て吹き出したかのような印象だ。
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