1956年の録音で「4 5 and 6 」はカルテット、クインテット、セクステットとのこと。共演者はピアノがマル・ウォルドロン、トランペットがドナルド・バード、テナーサックスがハンク・モブレー、ベースがダグ・ワトキンス、ドラムがアート・テイラー。どこを聴いてもマクリーン節がたっぷり楽しめる。
このアルバムなしにクラークは、ハード・バップは語れない。魅力的なメロディ、充実したアドリブ、そしてファッション雑誌から抜け出たように粋なジャケット・デザイン。まさしくパーフェクトな大傑作。
「猫のマクリーン」と呼ばれる、マクリーンの初リーダー作。確かに、なんとなく味のあるジャケットです。童話の挿絵に使われそうな感じの、版画のような猫の絵を用いたバージョンも見たことがありますが、こちらの方が本家なのでしょうね。 「B級」と言われたりもするマクリーン、音を外しぎみのところもありますが、アルトの音色は、やはり味があります。1曲目の“It's You Or No One”から、いいノリ。“Lover Man”のようなスタンダードも、自分の味付けにして、楽しませてくれます。
このタイプの音楽は初心者です、なので『ジャケ買い』です。ネコがバタバタでキュート、色合いも好みです。で、肝心の音楽ですが こちらも思いのほか良いのです、違和感なく楽しめるトランペットなjazzでした。知識の少ない自分が言うのなんですが直感で楽しいアルバムだと思いました。
私の所持盤は+3ではなくオリジナルの全6曲である。 二つのセッションからなっており、最初の3曲(LPのA面に当たる)が McLean(as),Donald Byrd(tp),Sonny Clark(p),Paul Chambers(b),Philly Jo Jones(ds) である。 残る3曲(B面)が McLean,Blue Mitchell(tp),Tina Brooks(ts),Kenny Drew(p),P.Chambers,Art Taylor(ds) である。 録音された1959,60年、既にモード・ジャズ、フリー・ジャズも全面開花し、ジャズが大きく動いていた時代である。マクリーンもこの新しい動きに対応した演奏になっている。 BLUENOTEでの新感覚ジャズのさきがけのような作品であり、ジャズの転換期を記録したことになった。
そこで面白いのがA面のソニー・クラークのピアノである。 1曲目ではソニー・クラークがピアノを弾いていないことにお気づきだろうか。 おそらく「みんな何やっているの?俺どう弾いたらいいかわからん」状態だったと思われる。 2曲目はブルースなので、クラークも「よしブルースならやれるぜ」と弾いているが、どこか頼りなげな弾き方だ。 要はソニー・クラークが新しいジャズの胎動によく対応できていないのである。3曲目も同様。
4曲目(B面の1曲目)有名なAppointment In Ghanaでの、各人のソロを聴くとBrooksもB.Mitchelも問題なくこなしているし、ピアノ、K.Drewも新しいジャズをちゃんとやっている。 つまりB面3曲のほうが、A面よりグループ全体のまとまりがある演奏になっている。 6曲目Isle Of Javaも新感覚味があふれる良い演奏だ。
というわけでソニー・クラークの対応の仕方によって、この時代のジャズの動きが如実に分かるということに、結果的になっているのがまことに面白い1枚だ。
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