本作中、ツアーメンバーから「一番愛した男は?」との質問にマドンナはそう静かに、素直に、自然に、応えた。その時、彼女の顔からスターのペルソナが落ち、完全に心を開いた独りの「女の子」の顔だった。ものすごくリアルで切実で、僕は胸が痛かった。~トップに昇る意思を固めたタフな人間であるとともに、本作にはその孤独・メンバー間の亀裂修復のマネジメントの苦痛が実に自然に描かれてゆく。僕自身は彼女の特別なファンではないが、複雑な家族関係・スターとしての虚像・その狭間で「本当の自分」を保とうとする独りの女性のドキュメントとしてとても興味深く、--誰の人生でも単純ではないが--、虚像の頂点を目指す人間の至福と痛みに深く共感を覚えた。
往年のヒット曲が集められたベストアルバムです。秋にアメリカに彼女のツアーを見に行くので買いました。若い頃に買ったレコードの収録曲がこの1枚のCDで蘇りました。
追悼式での著名人のコメント、それに参加したファンのコメントもその時の感動が共有できた気がして涙が止まりませんでした。 シャープトン牧師のスピーチは特に感動的でした。ありがとう、と最後に繰り返したあの気持ちは、多分マイケルジャクソンの偉業を誠実な心で受け止めている人々の心の中にある同じ気持ち。 マイケルジャクソンの生き様を称えた素晴らしいスピーチです。 さらに マイケルのコメント付きの水風船遊びに、ショッピングシーン、病院に運ばれる時のマイケルのアップの映像もあります。。他のDVDでは無いシーンがたくさんあり私にとっては見応えありました。 ただ画質がとても悪いのと、それぞれのシーンがぶつ切りな所が多くあり残念に思いましたが マイケルがたくさんの人々から愛されたという気持ちを共有できる内容だと思います。
今回のこのCDで初めて彼の曲をちゃんと聴きましたが、こんなにも沢山の名曲があったんですね。 80年代私はまだ子供だったのですが、お笑いのネタにされて茶化されている印象があまりにも強すぎて、大人になってからもまともに曲を聴いたことがありませんでした。
収録されている曲は、ゆっくりとシンプルな伴奏で聴かせる曲が殆どです。 曲の作りに余分な飾りがないだけに、彼の歌唱力が際立ち、遅まきながら凄い人なんだということに気付かされました。
6分間にわたる「ジーザス」は、まるで教会で牧師さんの説法を聞いているような、神聖で深い感動があります。一度生のライブで聴いてみたいものです。
このCDを聴いたあと暖かい気持ちになるのは、彼の人柄なのかな。 しみじみイイですよ。
90年の「ブロンド・アンビション・ツアー」の舞台裏に密着したドキュメンタリーです。舞台上のパフォーマンスと舞台裏とを交互に見せていきます。当時の恋人であるウォーレン・ビューティをはじめ、たくさんの有名人が出演しています。
パフォーマンスは、日本でいえば、サザンオールスターズに近い感じ。気取った奴ら・スカシた奴らがイケスカナイという反骨精神が見て取れます。過激な猥褻表現、肉体美を強調するポージングなど、普通は男がやりそうなパフォーマンスを女のマドンナがやっているから、今観るとパフォーマンスの完成度はやっぱり低いけど、一見の価値はあると思います。
この頃のマドンナは、ドラッグでもやっているんじゃないかと思うほど常にハイテンションで、タフでパワフルで、バイタリティに溢れ、とても賢い。無謀に近い勇気があり、限界に挑戦し、タブーは一切なくどこまでも自由。しかしその反面、情緒不安定で、分別がなく1つ1つの言動がとても雑。我がままで文句も多い。言葉遣いも悪く、振る舞いも下品。我慢もしない。攻撃的で怒りっぽい。それは、観ていて不愉快になるほど。04年の「アイム・ゴーイング・トゥ・テル・ユー・ア・シークレット」の後で観ると、このDVDの価値はだいぶ違ってくると思います。マドンナにも、こんな時代があったんだなぁと。。「アイム・ゴーイング〜」では、年齢を重ねて肉体が衰えた代わりに、子供が出来てすっかり分別のある大人になっていますから。
しかし、世話好きの姉御肌と、彼女の信念「人を政治的に目覚めさせること」は、この頃から何ら変わっていない。
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