オムニバス形式で、大きく3つの物語です。
日常的な、ちょっとした話なのですが、最初とかはちょっとイタすぎてどうかなと正直思った部分はあります。私は真ん中の話が気に入りました。
エロコメでもない、学園でもない、バトルでもない、そんなジャンルなのでまとまった話を作るのは難しいかもしれませんが、こういう雰囲気は好きなので今後も応援したいと思います。
これまで、読んでくれた読者へのご褒美みたいな最終巻で、一冊丸ごと最終話みたいな感じで、初刊から読んでた人間にとっては、それがうれしかった。
まあ、各々はいかにもってかんじだが、まあ、それはそれでカレカノらしくていいのかもしれないと思った。
でも、子供産むのは大変だけどね。
見栄ぱりの大帝王、宮沢雪野「私は見栄っ張りだ」
体裁や欠点、心に隠れた闇は誰しもが必ず持つもの、人は初めから完全ではない・・・
だからこそ親近感が湧いたり、感情移入や共感が出来るんじゃないだろうか?
お笑いが随所に盛り込まれており、外面と本音の差、それが包み隠さずに視聴側には惜し気も無く出る
楽しく見る事が出来、そして何処か物悲しい面も・・・・・
彼女の事を知る事となる彼、有馬総一郎、自分に無いものへ憧れを抱く彼の視点も見過ごす事は出来ない。
表面をコーティングし上辺面の見栄の王、有のままの宮沢雪野はカワイく素敵だ。
作品は当時、GAINAXの演出やパロデイも随所に盛り込まれており、オマヌケなシーンや、シリアスな場面にも
それが垣間見る事が出来る。作中に流れる音楽や配役も実にいい味が出ている。
女性の作家の多くは、「情念」とか、「恨みつらみ」やら、「個人的な趣向(私の表現に付いて来なさい!)」に走ってしまう中、このシリーズは、私のような男性読者でも充分に感情移入出来る貴重な『物語』です。 キャラクターを奔放に走らせる中、作者の視点はあくまで高く、その場しのぎのリズムに流されず、冷静です。第1巻の今作において、既に。 長い休止期の後に再開された、本シリーズですが、やはり「鋼の雪」にめがけて疾走する『前期カレカノ』!「物語」を愛する方にはかけがえのない一遍だと思います。 語り手は熱くなりすぎず、されど冷めすぎてはいけない、という微妙なバランスの上で語られる『お話』の妙。 「エヴァンゲリオン」後に、庵野監督がアニメ化したのも納得できます。彼には持てない「見下ろす作者の視点」を備えた今作は彼の憧れなのかも知れません。 等と、むずかしい事を言いつつ、気恥ずかしさもなんのその!で書店レジでこの「少女漫画」を全巻一気に購入した私でした。
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