その年に発行になったマンガの中から、アンケートでベスト作品を選んだ一冊。
同様のコンセプトの本は他社からも出ていますが、フリースタイルのものは、
選者が大人で、作品だけでなく、「マンガ出版」という視点からも選ばれていることが特長。
さらに作家インタビュー、選者の座談会とマンガ業界裏話を知ることができ、
さらに選ばれた上位のマンガの第1話(じゃないものもありますが)が掲載されているので、
まさにその年のマンガを知ることができる貴重な一冊といえます。
この号は、いしかわじゅんさんが「のだめカンタービレ」を完結させた二宮知子さんにインタビューしており、
長いこと二宮さんの作品を読んでいた人間にとっては、なかなか興味深いものがありました。
とどのつまり30代後半読者のいわゆるアラフォー男子世代をターゲットにした、講談社版”夕焼けの三丁目”な作品。
ファンとして運の良いことに(?)、自分も37才なので内容的には大変満足の☆5です(笑)。
このマンガの凄いところは、実はタイム系(パラドックスなのかな?)な青年誌にありがちなSFを、作者の独創的での切り口で進行しているの事だと思う。
このありがちなテーマの記念すべき第一巻で、そのSF的な設定を十分に生かしてドキドキする第一話と最終第六話だけでも特筆モノだと思うのですが(笑)、途中に挟まれるエピソードの各所にチラホラと作者ならではの(SFギャグ)センスが、散りばめられているので過去作品のファンも納得の面白さだと思う(笑)。
当然、友達100人できるまで(8年後ですか……イイね)、応援しますので次巻も購入決定です(笑)。
ちなみに、アノ自転車は僕等が小学生3年生くらいでは全く流行せず、当時もマニアックな人たち専用モデルな感じでダサク感じていたので、イマイチ自分の記憶とは、ずれているのですがインパクトと熱い気持ちはビシビシと伝わって面白かったです(笑)。
ハズレのない漫画家、豊田みのるの最新刊です。
ある日突然、世界中の大都市の上に大量の宇宙船の襲来を受けた人類。突然現れた宇宙人達の姿にパニックになる人々。もうじき妻の出産を迎えようとして病院にいた学校教師の主人公は、そんな渦中にその宇宙人たちの一人に連れ去られた。宇宙人いわく、「我々は愛を知るものは侵略しない。だから君たち人類に愛があるかどうかの試験を受けてもらう」。そう言われた主人公は、その試験とやらの内容に沿って、自分が過去の世界に、過去の自分自身となって送り込まれたことを知る。小学校を卒業するまでに100人の友達が出来れば試験には合格。もし失敗すれば人類は滅亡。
過去の世界に戻された主人公の隣には、これまた小学校の姿に変身した宇宙人がいた。かくして二人は地球の運命をかけた友達作りとその監視役として、生活することになった。。
バリバリのタイムSFでありながら、ほのぼのとしたギャグ作品でもあるという本作はいかにも豊田みのるテイストで溢れかえっていて、大変面白い。身体は子供、心は大人なんていうと名探偵コナンみたいだが、彼がやることは友達を作ること。しかもそれを腕時計型のメカでしっかりと数値確認しながら行なうというなかなかなハードなこと。一人セットするとその相手との友情ができるまでは他の誰とも友情を作れない/はかれないという極めて厳しい条件の中で、あの手この手、大人の智慧と子供の気持ちとを駆使して頑張る姿は設定のたくみさもあいまって面白い。そして、その大人視線の中で、子供と大人の差分というか価値観の違いが作品のアクセントになっているところもまた興味深い。
この二巻ではそういう部分がさらにクローズアップされていて、犬との友情や、大人からみれば残酷な小さい子供との友情などという変化球も見せてくれるし、パラレルワールドの存在が登場するなど外見の絵柄のかわいさやほのぼのした世界の裏にみえるSFマインドもさらに強化されていて、ますます面白くなっています。ここまできたら、是非是非本当に友達が100人できるところまで続けて欲しいです(まぁ、まだ11人? ほどなので、ずいぶんと先が長い話ですが^^)
「この物語が、ありえるか、ありえないか。魂のバロメーターでもある」
というオビの文句は、ひどく大げさですが、それでも端的にこの作品をあらわした非常に良い言葉だと思います。
星野君のような高校生なんて絶対いません。でも、いたらきっと素敵です。
根岸さんのような高校生も、よく考えたらたぶんいないでしょう。
でも、星野君と出会えば誰でも根岸さんのようになれると思いませんか?
お互いが相手の全てを認め、受け入れようと努力することで成長してゆく。
この作品にはそんな理想の恋愛が描かれています。
現実世界でそんな恋愛に出会うことは、頭で考えるよりもずっと難しいことなのに、
星野君と根岸さんはいとも簡単に(本人たちは苦しんだりしてますが)実現して見せる。
それが読んでる私たちには気持ちよくてしょうがないんです。
誰がなんと言おうと、これはラブコメの新しいジャンルを築いた傑作です。
読んだ後「素晴らしい作品が幸せな終わり方をしてくれて本当に良かった」
そんな気持ちになれます。
好きな話は、ポートポールの回とパンダ屋の回、叔父さんの話ですかね〜
今回から20人達成の御祝い(?)として、複数人同時にセットが出来る様にアップデートされた腕時計ですが、思わぬ落とし穴が・・・というところから始まります。
も〜〜〜〜ポートポールが、本当に懐かしくて懐かしくて! パンダ屋みたいな駄菓子屋さんもかなり少なくなってきましたが、本当に当時に戻れた気がします。
道明寺さんの宇宙人演説の回が個人的にかなり好きです。
道明寺さんの心境の変化と言いますか、最初の頃はあくまで柏君に対しての中立の立場だったのがやや柏君寄りになっている道明寺さんの変化が嬉しかったですね。ポートポールの時とか。
地球人を馬鹿にする同胞に対して、道明寺さんなりにあくまで冷静に怒りを相手に伝える所とか、最後の「私は柏君が大好きです」っていう台詞がすべてを物語っていて本当に好きなキャラになっています。
というか、今まで出てきたキャラで苦手なキャラとかがいなくてみんな個性的で好きになってしまうんですよね、
4巻目で、主人公の柏君と同じ様に自分も登場キャラのみんなと友達になっている様な気がしてきています。
本当にすばらしい作品です、是非100人集めて下さい。
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