プロレスの黎明期には必殺技であるとか、レスラーの生い立ちなどにかかわる「怪しい」エピソードとか、フツウの武道や格闘技とは異なる興行的要素のおもしろさがあった。これはとくに悪役どもの「怪しい」生活ぶりとか生い立ちがふれられた興味深いシリーズ。作画は「黒い秘密兵器」など野球ものでヒット作をおおくもつ一峰大二氏。
ここでは冒頭のジャングルボーイのはなしが怪しいを通り越してスサマジイ。人里離れた洞窟にすみ、毒蛇をあたまのなかに隠し、生肉を喜んで喰らい、そして文明人に復讐のためリングにあがるという。。。まるでマンガのなかの悪役プロレスラーそのもののような世界。どこまで真実かわからないのであるが、このみることのなかった悪役が実際のリンクで暴れたということがこの時代の「プロレス」らしいかも。。。
アントニオ猪木の師匠、故カール・ゴッチ氏。このシリーズで登場するとは違和感があるが、この「プロレスの神様」の若き日、苦しんでいたころのものがたりは貴重なエピソードとなっており、ファン必読とおもいます。貴重な復刻版です。
スペクトルマン全4巻に漏れた「デサイトマンの巻」が同じ角川の「怪傑ライオン丸第1巻」に収録されて居ます。完全を目指す方は合わせて購入して下さいね。
福本和也原作『黒い秘密兵器』とは異なり、こちらは一峰大二のオリジナル。
主人公が投げる「超球」の凄さは「分身魔球」や「消える魔球」をも凌ぐほどだが、いかんせん、ストーリー展開は、いま一つである。
おそらく作者自身は、あまり野球に興味がなかったのではあるまいか。
「原爆超球」などという、とてつもない投球法が、もっとゲームの中で生かされる展開になっていれば、より面白い作品になったのではないか。
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