ハリウッド・メルローズ通り沿いにあるパラマウントスタジオの正面から見て右側の門を「スワンソンゲート」という。これは本作でノーマ・デズモンド役のグロリア・スワンソンがスタジオ入りするシーンをここで撮ったことからつけられたものだ。1930年代に「フリークス」というトッド・ブラウニングの大問題作があったが、ビリー・ワイルダーは本作でハリウッド版「フリークス」を作り上げた。まともな登場人物は誰も出てこない。ウィリアム・ホールデンは唯一まともな語り部だが、冒頭から殺されてるし・・・。サイレント映画へのノスタルジーというよりも、それらの時代を亡霊のように描いたワイルダーの手腕はやはりすごい。チャップリンと並び称されるバスター・キートンも亡霊のひとりとして登場している。だが何といっても凄いのは、スワンソンの鬼気迫る演技だろう。怪俳優・シュトロハイムもかすんでしまう迫力はさすがである。ちなみに、いまパラマウントスタジオを訪問すると、その広さに驚くと思うが、本作の撮影当時は半分の規模しかなかった。半分はRKOスタジオであった。その証拠にまだRKOのロゴマークである地球マークがまだそのまま残されている。スタジオツアーに申し込むと、正確にどこからがRKOの敷地だったかがよくわかる。このスタジオの裏手はハリウッド墓地になっているが、そもそもこのスタジオ用地も墓地だったところをパラマウントとロバートソン・コール(RKOの前身)が買い上げたものだ。サイレントの亡霊(生霊)を撮るのにはもってこいの場所だったのかもしれない。作品は大・大・大傑作である。
カッコいいお家のコノ手の本が多い中、実は当家は、母の隠居の建設にあたり、一体どうしたらいいの、という状況でした。「建築の先生にまかせていろいろといわないほうがいい」という方、「いや最近のはやりを十分意識すべきでいろんな雑誌で勉強すべき」という方など、人は勝手なことをどんどんと耳に入れてくれるわけで。「一体どうしたらいいの」。そりゃ、予算もたっぷり、敷地も余裕もごっそり、近所との調和とかあまり考慮しなくてもいい、なんて状況があればいいけどそうはうまくいかないもの。なにがなんでもバリアフリー、けどやっぱりもうすこしお洒落にもしてもらいたい、そういうことが大量にでてくるのが現実であるんです。早い話、この本のなかにたくさんアイディアがつまっていて、また、この本をよくご存知の建築の先生であったので、当家の場合、大量の希望やらお願いをして、表紙からいきなりわしづかみにされたこのお家を相当意識した設計図をつくってもらって、かなり期待などしております。
本はできる限り図書館で読む、どうしても買わなければいけないときは古本、というケチな人間なのだが、この増補新装版をみつけてしまい1クリックで買ってしまった。 なぜかというと、僕の同世代である公論のボンクラたち(注:ほめ言葉です)の近況を知りたかったから。 それにしてもGo原氏の「華麗なる転身」には参りました。 (以下20101110追記) ところで、新装版になって、いくつか落とした記述や回があるのではないかな? 詳しく旧版と新版を見比べていないからはっきりしたことはいえないけど。。「ChanTake」さんの、若い頃の悪行とか、旧版はもっと生々しく書いてあったように思うが。。
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