名曲の解説のみならずいろいろな部分でとても興味深く、楽しく拝見させていただきました。
兄・増尾好秋さんの「グッド・モーニング」が大好きでした。
しかし氏の以降のアルバムは、グッド・モーニング路線と大分違っていった。
なぜだろうか?
答えは、「グッド・モーニング」のみ弟の元章さんが参加していたのです。
このセレクション、僕らとってはNewグッド・モーニングといってもよいぐらいのお気に入りです。
1981年リリース・・・バーズアイヴュー名義としては2作目、ソロ通算4作目にあたるアルバム。四人囃子で聴かれたようなアグレッシヴなギターが聴けないのが残念ですが、フュージョンギターとしては流石のプレイを聴かせてくれます・・・当時27歳だそうで、正直ビックリしますねこのニュアンス&色気は!!アルバムは40分にも満たないので、アッという間に聴いてしまいますよ。バンドは、中村哲(Key/Sax)・秋元良一(B)・相良宗男(Dr)・マック清水(Per)・・・すべて森園氏の楽曲ですがアレンジに中村氏が関わっており、彼の貢献度がとても高いと思います(ポップとフュージョンちょいプログレな音作り)。リイシューに伴っては、アウトテイク等いれて欲しかったかな。
震災前の神戸チキンジョージでのライヴ。和田アキラのギターはスタジオ盤でもすばらしいですが、ライヴでは更にグレードアップし、驚異的な速弾きを聞かせてくれます。初期のメンバーで四人囃子の森園勝敏も参加し、和田アキラの驚異的なプレーの影に隠れてはいるものの、センスのあるギタープレーで対抗しています。 是非とも生の演奏を聞いてみたいという思いに駆られるような、すばらしいライヴアルバムです。(こんなにすばらしいバンドなのに、ほとんどのCDが廃盤になっているのは非常に残念です。)
個人的に、フラワー・トラヴェリン・バンドの「Make Up」の映像に期待していたんですが、
収録されていたのはYouTubeにて公開の某映像にスタジオ音源を被せただけのものでした。
また、その他の多くの演奏シーンの映像も既出のものばかりで、まったく肩すかしです。
70年代当時の日本のロックの映像が1つのアーカイヴとして集約されたことは意義深いとは思うし、
そうした資料的なものとしてはそれなりに良い作品かもしれません。
が、1つの映画作品として観た場合はちっとも面白くもないでしょう。
なにしろ、内田裕也さんや近田春夫さんといった人達へのインタビューの合間に、
昔の映像が時系列もばらばらにダラダラ挟まっているだけの薄っぺらな構成でして、
映画のはじまりと終わりを内田裕也さんへのインタビューで纏めて、
どうにか全体を締めているだけの映画ですから。
インタビューをもうちょっと幅広く、細かくやって、
当時のレコード会社のディレクターだとか、ロックから別の方向へと流れていった人達とか、
そういう人達の証言も取り込んでくれていたら、奥行きのある見応えのある映画になったのでは。
例えばその後のYMOのメンバーがいたエイプリル・フールの人達だとか、
モップスから名プロデューサーへ転身を遂げた星勝さんとか、
ヒーリング・ミュージックみたいなものをやるようになった喜多郎さんとか、
話を訊くべき人は、いっぱいいたでしょう?
これでは「ロック誕生」というよりは、「内田裕也誕生」ですよ。
内田裕也さん、大好きだからこれでもいいんだけど(笑)。
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