映画音楽家のニーノ・ロータが亡くなり、コンビを組めなくなって以降のフェリーニ作品は、評論家の間では、あまり評価が高くありません。しかし、この「ジンジャーとフレッド」は決して悪くない作品だと、私は思います。
「道」や「カビリアの夜」などに出演し、フェリーニの妻でもあったジュリエッタ・マシーナと、「甘い生活」でおなじみのマルチェロ・マストロヤンニが、実はこの作品で初共演したということも、フェリーニ・ファンとしては注目したいところですが、それよりも何よりも、お話が心温まる内容なので、観終わったあとにじんわりとした余韻を味わえる点が、この作品の素晴らしいところだと思います。画質も充分に満足できるレベルなので、ストレス無く鑑賞することができます。
定価が少々高めに設定されていることが、消費者としては残念なところですが、このメーカーから発売されるDVDは、総じて低価格になりづらく、廃盤になりやすいので、もしも興味のある方は、品切れにならないうちに購入を検討されることをお勧めします。
フェデリコ・フェリーニ監督ととって初めてのカラー作品であるばかりでなく、幻想的な世界に主人公が入り込んで行く独特の作風を確立したという意味で、この監督の転機となった作品です。また、自分達夫婦のプライベートな部分を描いているという点では、前作「81/2」と対をなす作品でもあります。実際、この映画の撮影中、フェリーニ監督とジュリエッタ・マシーナは別居してしまい、イタリアの民法が改正されて離婚が自由になった1971年に二人は離婚してしまいました。(それでも、女優と監督という二人の関係は、その後も続きましたが。)私生活を題材に芸術作品に作り出してしまったフェデリコ・フェリーニ監督はやっぱり凄いです。
女性版『8 1/2』とも言われている作品 『8 1/2』では、モノクロの男の世界 今作では、華やかに彩られた女性の世界 フェリーニにとって最初の実験的なカラー作品 フェリーニとジュリエッタは当初は、おしどり夫婦と呼ばれていたが 不和の噂も囁かれるようになり、自作自演で自分たちの関係をさらしてます。 快楽の象徴のような存在を演じていたサンドラ・ミーロの怪演っぷりも必見。
ジュリエッタの小さくて可愛いその姿。
カラフルでとってもラブリーな洋服の数々。
リアルなのに幻想的な建物やインテリア。
フェリーニ映画おなじみの、1度見たら忘れられないヘンな顔の人たち。
全部好きで何度見ても顔いっぱいの微笑が浮かんじゃう!
スーパー美女サンドラ・ミーロ様のゴージャスそのもののお姿と
悪魔みたいにお下劣な笑い声には頭の芯からシビレます!
生きてる喜びがこみあげてくる、
とってもステキな映画なんです。
必見!!ゼヒ!!
’60年に発表されたフェリーニ監督による作品。退廃的な映像と軽快なリズムのオルガン・ジャズとの対比が印象的です。
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