結構楽しめた。 少なくとも、見て損をしたとは思わなかった。
内容がないという批判が多いようだが、《内容》とは何を指すのか。 厳かに語られた人生訓か、振りかざされた社会批評や文明批評のメッセージか。 だとしたら、確かにそんなモノはこの映画にはない。
あるのは、今の日本の若い女性をとりまく風俗だ。 その裏と表、光と影、上昇と下降、価値と無価値…。 それら全てのコラージュだ。
それを、原色の絵の具をぶちまけたような、絢爛とした万華鏡の画像にして… 或いは、ハイスピードでめくれ落ちる、極彩色のパラパラ漫画の映像にして… めくるめく華麗な映像ライブに仕立て上げて楽しませてくれた。 それもまた一つの《内容》であり、立派にエンタテイメントだと思う。
ただ、大物俳優が脇にゴロゴロしてて、無駄に存在感を見せすぎているように思えた。 そのせいで、主演の沢尻の存在感が、ややかすんでしまったように思える。
それと、沢尻の濡れ場目当てだけのスケベ男子は、肩すかしをくらうと思う。 よほどのファンでない限り、ひとりで鎮めたくなるほどのエロさは、残念ながらない。
一様あくびに見舞われることなく、最後まで楽しんでみることが出来た。 無論、香水や制汗剤のかぐわしさの下から、すえた裸の体臭が生ぐさく匂い出していたら、もっと凄い作品になったろうが…。
美しく万人に愛され裕福な、あらゆる人間が持つ欲望の終着点をそのままキャラクター化した登場人物「りりこ」。 美貌が崩れるのと連動して崩れていく、彼女の精神と人生。 作中通して、りりこには人格がなかった。じぶんの意思がなかった。だから彼女にあったのは本能的な欲望だけだ。 狂人のように美を求め愛を求め富を求め成功を求める。そんな肥大した欲望がついに彼女自身を食い尽くす。 でもそれは彼女に限ったことではない。マスメディアによって主体性やじぶんの意志をなくし、絶えず欲望を煽られ続ける若い世代にとっては、「りりこ」の破滅の物語はけっして他人事ではないのだ。 そしてわずかばかりの意志や人格を有していたとしても、欲望の波の前にはそんなものはなんの堤防にもなりはしないだろう。 人間は本来的に人格や意志によって生きる存在ではなく、欲望によって生かされる存在なのだから。 近い未来に自身が破滅することを理解しながらも、彼女は欲望の為すがままに暴走する。 それは彼女自身がそう選んだ道なのではなく、「彼女自身に選ばされた」道なのだ。
そして読者も、彼女の破滅を予見しつつも、破滅へ向かうまでの残酷で緻密な描写からけっして目を離せないだろう。 なぜならそれは、未来のあなたの姿であるかもしれないからだ。
色合いがすごくきれいで、ストーリーより色合いと沢尻さんの体に目が行き大変でした。
中盤までは懐かしい事だらけで、当時の自分を思い出しながら、本の中にでてくるアーティストのCDを聞きながら読みました。
渋谷公会堂のライブの事を思い出したりしながら。
いつの間にか自分も大人になりPUNKというか音楽自体から離れてしまって気が付けば10数年たってたんだなと。
そういえば、川村かおりと不意に思って検索したら出会った1冊でしたが読んで良かったです。
その10数年の間、川村カオリになるまで、ファンとしては色々しれて良かったです。
読みにくい部分もあったり、マニアックなPUNkファンの人が読むと批判したくなるかもしれません。
批判好きな人は読まない方がいいとおもいます。
川村ファン、川村カオリと同年齢のその音楽時代をすごしてきた私は読んで良かったと思いました。
ひょんなことからこの本を手に取りました。 軽い小説?と思いきやかなりの内容! 最初はなんだか読み慣れない言葉が多くって。 歴史小説は苦手で、宮部みゆきとか池波正太郎くらいしか 知らなかったので、しまった!って思ったんですが 意外と読み進めていくうちに、しかし、はまりました。 美しい日本語を沢山お勉強させてもらいました。 新人さんって言っても綿矢りささんとか金原ひとみさんとは スケールが違いますね。 プロフィールが超簡単なのは、これからの人だから? 次作にも大いに期待します(^^♪
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