『フライングハイ』は絶倫のギャグ発射装置だ。映画が飛び続ける88分間まったくのバテ知らずで、びゅんびゅん笑いを撃ち出し続ける。つき合わされる観客は、もうされるがまま。腹を抱えて息継ぐひまなし。役者の全員が馬鹿を演り、宗教、病人、民族と、あらゆるものが黒い笑いのえじきとなる。マジメ顔を装いながらずっと与太をこいているサウンドトラックそれじたいも、でっかいユーモアだ。知性をくすぐるより、観客の脇の下に直接ユビをすべり込ませることを狙う映画。この強引さがたまらない。コメディ好きなら、さあさ並んで。あなたの知らなかった笑感帯が眼を開くかも?
単純なストーリー、歌と踊り、ギャグ、ハッピーエンド。これぞヴォードビルである。
この映画のタイトルで主題歌でもある曲は1950年に大ヒットしたミュージカル映画「アニーよ銃を取れ」の中で歌われた。
歌ったのは主演女優のベティ・ハットンだった。余りに好評だったので、その後この曲をテーマにしたエセル・マーマン主演のミュージカル映画も作られた。
こちら映画はキャスティングの豪華版。マリリン・モンローはじめ、他にドナルド・オコナー、ミッツィー・ゲイナー。
マリリン・モンローがただのセックスシンボルでないことがよくわかる。
「Theres No Business Like Show Business」 By Irving Berlin
The butcher, the baker, the grocer, the clerk
Are secretly unhappy men because
The butcher, the baker, the grocer, the clerk
Get paid for what they do but no applause
They'd gladly bid their dreary jobs goodbye
For anything theatrical and why
There's no business like show business
Like no business I know
Everything about it is appealing
Everything the traffic will allow
Nowhere could you get that happy feeling
When you are stealing that extra bow
There's no people like show people
They smile when they're low
Even with a turkey that you know will fold
You may be stranded out in the cold
Still you wouldn't change it for a sack of gold
Let's go on with the show
The costumes, the scenery, the makeup, the props
The audience that lifts you when you're down
The headaches, the heartaches, the backaches, the flops
The sheriff that escorts you out of town
The opening when your heart beats like a drum
The closing when the customers won't come
There's no business like show business
Like no business I know
You get word the show has started
That your favorite uncle died at dawn
Top of that your pa and ma have parted
You're broken hearted but you go on
There's no people like show people
They never ever run out of dough
Yesterday they told you you would not go far
That night you opened and there you are
Next day on your dressing room they hung a star
Let's go on with the show
1954年公開作品、映画公開時彼女は28歳、芸能一家がメインのミュージカル仕立て作品、マリリンは有名になる事を夢見る踊り子の役、1953年「紳士は金髪がお好き」でスターの仲間入りを果たし54年には「帰らざる河」に主演をした女優マリリン モンローがなぜ、こんな小さい役を?と当時も不思議がられたが、ここには「君はまだ、スターではない」と思い込ませようとした所属会社20世紀FOXの思惑があった様です、それでも作品自体は大作だし内容も悪くなく豪華で楽しい作品に仕上がっていますね。
かつて劇場で観た素敵なミュージカル風映画です。総天然色でレビュー場面も多く、20世紀前半の流行り歌の推移も楽しめますヨ。 とくにエセル・マーマンが見事な声量で『ショウほど素敵な商売はない』を歌うクライマックス・シーンは良かったですネ。 まだ若くて綺麗なミッチー・ゲイナーも、コミカルな味わいを失わないドナルド・オコンナーも皆なミュージカル専門の一流のスターが実力を発揮してますよ。「ア・プリティ・ガール・イズ・ライク・ア・メロディー」とか「ソー・レッツ・ハヴ・アナザー・カップ・ア・コーヒー、アンド・レッツ・ハヴ・アナザー・ピース・オヴ・パイ!」なんて懐かしの歌も聞けるオススメのビデオです。
1954年公開作品、既に「紳士は金髪がお好き」「億万長者と結婚する方法」「帰らざる河」とアメリカを代表するスター女優への転身を果たしていたのに主役でないこうした役柄を演じたのか不思議がられた作品だったが、そこには所属20世紀FOX社がマリリンにまだスター女優ではないと思い込ませる思惑があったとされる、事実、「紳士は金髪がお好き」で共演の女優ジェーン ラッセルがギャラ20万ドルであったにも関わらずマリリンはまだ週給制でまだスターではないとの理由で個室すら与えられなかった、これに対して「紳士は金髪がお好き」の金髪は私よ!と彼女が個室を要求したのは有名なお話、それでも主役ではないけどこの「ショウほど素敵な商売はない」は芸能一家のお話でスターを夢見る若い女性役のマリリンはとても魅力的で3曲の歌と踊りを披露しているという豪華さなので彼女のファンにはたまらない作品に仕上がっていると思いますよ!。
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