前田慶次=水戸黄門?, 2008/12/9 By DAI - レビューをすべて見る
大河ドラマに関連して前田慶次本も出ていますが、現時点ではこれが 最高の一冊だと思います。個人的に前田慶次に関しては金沢や米沢で 史料の収集をしたので、内容はそれほど目新しい発見はありませんで したが、途中の前田慶次の真の姿=水戸黄門のような挿し絵には驚か されました。
史料に関しても数多く挙げており、読みごたえも十分。前田慶次で 一冊にまとめたのはこの本が最初かと思いますが、雑誌などでも一 夢庵風流記の影響を抜けきれない論文が目立った中、そこから見事 に脱却した一冊だと思われます。その分、叔父の利家より年上だっ たり、武功が少なかったりと「花の慶次」のイメージで固めてしま った人には厳しい、目を覆いたくなるような一冊かもしれませんが。
連歌師「似生」としての活躍や、最後の地に関する考察が面白かった です。逸話もほぼ網羅しています(石山軍記の逸話が抜けてたような) し、子や孫についての記述もあります。資料としても活用できるし、 真実に近い前田慶次を知りたいのであればもっとも適した本と言えます。
「にいほった」というミスはどこなのか気づきませんでしたが、当然、著者のミス ではないと思います。ちなみに、同じ著者の直江兼続本のほうも大河がらみで出版 された中では秀逸な本です。
斬のサントラでは、サントラとして肝心のBGMも、 ナレーションが入っていたり微妙な編集をしてあったりしましたが、 今回のサントラは、いわゆる普通に1曲1曲BGMを聴ける普通のサントラになってます。
個人的には、各RUBのBGMをじっくり聴けたのが良かったです。
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