フォーク・ビレッジ VOL.1 カレッジ・ポップス集
このCDを購入した理由は実はフォークルを聞くためではなく、“悲しき天使”を聞くのを目的だったのです。ですがキタヤマ・オ・サム氏の“あの時のぼくは”を始めて聞いて(実は彼と同世代)、胸にジンとこみ上げて来る物がありました。
これは歌ではありません。彼の独白とでも言ったらいいのでしょうか。しかも関西弁での独白です。
この類の経験は、状況こそ異なっても、誰もが青春時代に経験するほろ苦い思い出ではないでしょうか。独白の間に漏れるキタヤマ・オ・サム氏のためいきは彼の真摯な気持ちの表れでしょう。
“幼なじみ”の様な突然ばったり会って意気投合してハッピーエンドという訳ではなく、映画“卒業”の様なドラマチックなエンデングでもなく、最後にお互いの気持ちが通じた時には!もう遅かったという何ともはや切なくやるせないエンデングです。その切ないエンデングをキタヤマ・オ・サム氏は自嘲的に笑い、しかし最後に“あーあはー”というやりきれないため息の中にせつなさを一層募らせています。その気持ちは共感できます。
青春時代のほろ苦い気持ちを彷彿とさせるキタヤマ・オ・サム氏ならではの名独白です。
ピエロのサムにある曲だそうで、オリジナルは20番まであるらしいですが、この独白を是非最後まで聞いてみたいです。
購入した時点ではフォークルの部分は期待していなかったのですが、期待を裏切らなかったCDでした。
戦争を知らない子供たち-北山修 作詩集(紙ジャケット仕様)
稀代のボーカル、杉田ジローさんの輝きを思いだします。
シューベルツでその力量を発揮し、その後フォークの
存在を万人に知らしめた金字塔をジローズで建立するのは
いうまでもありません。
岡林さんの率いる怒涛のURC的潮流と、北山一家の
青春東芝フォーク、まったく甲乙つける対象では
ありませんが、フォークを万人のものにした功績は
北山さんにあることは言うまでもありません。
その後、ビジネスの場として参入してきた大手レーベル
によって築かれた「フォークソング」。
その中にも北山さん作品を思わせる情感の富む
ものもありますが、ここはやはり区別していきたいものです。
新・青春のバイブル´70 完全盤
フォークとニューミュージックが交差する70年代の佳曲集。露骨にビートルズしているチューリップの「魔法の黄色い靴」や後に西城秀樹がカバーしたオフコースの「眠れぬ夜」などのポップな曲もあれば、早逝した大塚博堂の(一般的な)代表曲「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」やりりィの「私は泣いています」などの渋い曲もある。
しかし、最も重要なのがムッシュかまやつの「どうにかなるさ」。このアルバムでしか聴くことのできない3分強の「ロングバージョン」なのだ。当時のEPレコードも含め他は2分45秒ぐらいの「ショートバージョン」。たかだか20秒ではあるが、この曲の「放浪感」を満喫するにはどうしても必要な時間なのだ。ショートしかお持ちでない方には是非こちらも体験していただきたい。もちろん、全く聴いたことのない方にもおすすめです。何せ「だれかの足音のバラード」と並ぶムッシュの大傑作なのだから。
日本で見つけた GIRO’s イタリアーノ 素材で愉しむ我が家のレシピ51
パンツェッタ・ジローラモさんと奥様の貴久子さんの共著。お料理のレシピだけでなく、料理の素材や生産者のお話、ジローさんのエッセイ、ご夫婦の写真が楽しめる一冊です。自然体で写っているお二人はとても仲良く楽しそう。レシピをたくさん、という方には物足りないかもしれませんが、読みごたえ、見ごたえのある料理本です。なお、レシピの中には、貴久子さんの他の料理本に載っているものや料理教室で紹介されたものがありますので、レシピが気になる方は、目次で確認してから購入する方がベターです。