腕~駿河城御前試合~ 1 (SPコミックス)
偶然、読んだ掲載紙に「シグルイ」読者であれば
「ガマ剣法だ!」と一目で分かる見事な屈木頑之助を発見。
しかも、槍術師範の笹原修三朗(〜こちらもシグルイではなかなか
出番が多かった)と御前試合にて対戦する展開に驚かされる。
さらに、両者の対戦前には第一試合の藤木・伊良子戦の敗者の亡骸が
運び出されていくシーンが!
原作だとこの後どうなるの?と思いつつも、未だに小説を買って
いなかった私にとって、ベテラン作家の手による実に劇画らしい
劇画の御前試合の続きに出会えた事は、非常に幸運だったと言えます。
内容の大部分を占めるのは、剣士が真剣試合に至るまでの経緯
であり、面妖で血腥い事件の果て、ひと味もふた味も違った剣術を
用いる両雄が相対するクライマックスへと向かう・・・という構成
により、ストーリー性も抜群。 二百頁超の厚さも良かったです。
覚悟のススメ 5 (チャンピオンREDコミックス)
「覚悟のススメ」完全保存版第5巻、最終巻です。
覚悟と散との最後の戦いが熱く熱く描かれています。
少年チャンピオン掲載時から数えて何十回読んだか知れないのに、読むたびに発見があり、読むたびに感動があります。
本巻で特筆すべきは、単行本未収録だった「覚悟のススメVOLTEX」もオールカラーで掲載されている点です。
「零」を装着した覚悟の絶体絶命の危機を救った緋色の覚醒式強化外骨格「雷電」。
その「雷電」を装着する黒須京馬がライダー2号を思わせるたたずまいで熱い!
(覚悟に向かって)「僕はあなたを尊敬している」
なんて台詞が自然に口にできる素直さもよし。
巻末には山口先生のインタビューが掲載されています。これがまた熱いのです。
(「覚悟のススメ」を)
「まずは読んでみて、『これ凄い』と思った。」「『これ描いたやつスゲー』と思った。」、
(10年以上前の作品である「覚悟のススメ」について)
「よく作家は昔のものを恥ずかしいと言うけど、昔の見ても全然そんな思わないし、今より凄いと思うもん。もう出来ないと思う。」、
と断言する山口先生をこれまでも、これからも尊敬いたします。
シグルイ 15 (チャンピオンREDコミックス)
原作本を読んでない人間の予想として、おそらく二人ともはらわたを飛び散らして相打ちに終わるのだろうなあと思っていた。
だから、きっちりと勝負がついたことにびっくり。
そのまま、ハッピーエンドで終わるのか、と思いきや、残酷極まりない“武士の習い”“武士の本分”によって、穢れなき美しき勝負も、その先に待つ未来もぐしゃぐしゃに潰されてしまう。
しかし、それでもなお自己が“士”であるということを証明する為、そして、主君の命令には絶対服従という封建的な社会制度の中で自己の存在を証明する為には、あのような行為を拒否することは不可能だったのだろう。
「自己の細胞が死滅していくような嘔吐感、しかし、これは・・・」の言葉は、自分という存在意義の全てである“侍”という身分を得た瞬間であり、結果的にそのことによって自分の思いの全てであるものを失った瞬間でもある。
石森章太郎の「人造人間キカイダー」では、“人間”になったジローに対し、こう締めくくっている。
「ピノキオは人間になりました メデタシ メデタシ」
「だが、ピノキオは人間になってほんとうに幸せになれたのだろうか?」
シグルイで描かれた
「人間の優劣をつける階級社会を否定するため」に昇ってきた者と、そんな封建社会に飲み込まれることで、存在意義を証明した者。
生き残った者は幸福だったといえるのか。
いつの世もそうかもしれないが、個を失い、社会の中に組み込まれて生きるしかない人間の悲しい“運命(さが)”がここにあるのではないかと思う。
S.H.フィギュアーツ 強化外骨格 零 -最終局面- 限定品
こういうコアなファン向けアイテムはWEB限定でも仕方ないと思いますが台座の台詞の字が間違っていたりどうにも詰めが甘い印象です。
覚悟の頭部はサンプル画像の物とは別物で全く似ていません、エッチング製の眼鏡もしっかりと装着されずにポロポロ落ちます、しかもいとも簡単にひん曲がります。
腹部、腕部包帯は原作通りに作ってありますが血の痕が無いので非常に淡白です。
左右赤熱化ハンドは通常の零にも装着可能で遊べる仕様ですが各パーツがポロポロ外れ易かった所は改善されていません。
ファンの方は通常受注で手に入れているかもしれませんが手に入れ損なった人はもう少し価格が落ち着いてからでも遅くは無いと思います。
エクゾスカル零 2 (チャンピオンREDコミックス)
善と悪ではなく、正義と正義とが激烈に交錯する物語、第2巻です。
九十九猛との決着、彼の信じた正義の衝撃的な末路を経てついに不毛の世界へと旅立つ葉隠覚悟。
今巻も山口イズム全開で繰り広げられる覚悟の旅路には、やはり全編を貫く痛みがあります。
彼を待ち受ける世界には、見えない敵との戦いや様々な出会いが待っていた。
新たなエクゾスカルや戦術兵だけでなく、ついに女性エクゾスカル・雪も登場。
死と荒廃のみが支配する世界で出会った、少女の可憐な姿に葉隠覚悟が起こすリアクションが面白い。
様々な伏線を張り巡らせた『エクゾスカル零』第2巻、山口貴由ファンは必見です。