負けじ魂
これは1990年代を席巻し、最高栄誉である、レコード大賞まで獲得した女性デュオWinkの片割れである鈴木早智子さんの「ふつうの」自叙伝である。
芸能界の暗部を暴露してやろうとか、憤懣による報復意図は全く感じられず、自身の生い立ちや下積み生活、20年を超える歌手生活の中で体験した苦難などを手記として纏め上げたものである。いや、むしろ苦労談も楽しんで書いているような雰囲気すら感じられる。
小学生の頃からの歌好きで、カラオケが珍しかった時代に、お小遣いでマイクを買ったり、親に8トラのカラオケを買ってもらったり、それを持って施設に入れられた友人を見舞いに行く時点で、あまりふつうとはいえないが。
高校も辞めて、オーディションを受け続ける先の見えない生活、ようやく努力が実っても、最初の仕事は、事務所の電話番だったとか・・。戦友、相田翔子との出会い、売れないドサ回りと、「ごく、ふつうの」自叙伝なのである。イベントで緊張しすぎて安定剤を飲んで出演したとか、当時のアイドルが体力と根性が無ければやっていられなかったことがよくわかり、初めて聞くエピソードも多く、たいへん興味深い。
かなり恥ずかしい異性関係などもあけすけに書かれてはいるが、すでに週刊誌の告白ものなどで、知っている人も多いだろう。それよりも、今回初めて明らかになる、内密にされた失踪事件、ストーカー被害(やっぱりあったか!)、180SX、たばこ、忙しすぎて笑いが止まらない(メンタルヘルスは大丈夫か?)などWink時代の裏話のほうが興味深い。
結局のところ、「自分自身が商品」というアイドルの宿命からは逃れられず、さんざん働かされたあげく、まるで旬の過ぎた季節商品を処分するかのように理不尽な形でWinkは終わらされてしまい、翔子も去ってゆく。(このあたり、はっきりとは書かれていないのでややもどかしい)
AV(まがい)のビデオ出演の件では「マスコミに貧乳と書かれたが本当なので仕方ありません(笑)」などと締めくくるあたりは、はかなく、か弱いイメージとはうらはらに、苛烈な業界を20年以上生きてきた、したたかさや、たくましさも感じられる。
本書を読んで感じる「サッチン」こと鈴木早智子は、繊細なイメージと裏腹に、意外に大胆。心底歌を歌うのが好き、でも、若くしてこの道に進んだため、いささか世間知らずで、他人にいいように利用されるばかりで歯がゆい。腕のよすぎる職人のように、よい作品は作れても、儲かる作品、売れる作品は苦手。
つくづく、(異性関係も含めて)要領の悪いぶきっちょなヒトだなぁと感じました。なお、わずかながらカラーページがあり、幼少時代、Wink時代、最近のサッチンの写真があります。
せめて「あとがき」やオビくらい(たとえ頭を下げてでも)相田翔子に頼んでほしかった。
TWINBIRD 電気フライヤー(串揚げアタッチメント付) EP-4693SI
横20センチだが、縦にもあるので思ったよりは大きく感じた。でもデザインがシンプルなので、キッチンに出しておいても嫌ではない感じです。炊飯器の横幅を小さくした感じ。シンク下、ガス台下に十分収納可能です。温度設定がレバー式なので、ちょっとわかりにくいのが難。
実際160~170度でコロッケをあげてみたら、20分たっても温度がいまいち低く、さくっとはあがらなかった。中温以上の場合は、ランプが消えても20分以上待った方がいいみたいです。すごく本格的にてんぷらなどをあげる人には、ガスコンロの方が調整がスムーズかもしれません。結局 あげながらレバーで操作した方がカラッとあがりました。慣れかも?
窓は曇るのであまり意味なしです。カゴが付いているのは便利でした。(底の揚げカスが付かない)
寝ない関係 (ワニブックスPLUS新書)
モト冬樹というのは不思議な存在だ。いや、僕は別に彼主演の映画『カツラ刑事』を話題にしたいんじゃない。島崎和歌子をはじめ多くの女性芸能人との交遊がおおっぴらに語られながら、彼女らとの「浮いた噂」、いわゆる色恋沙汰に発展したという話はついぞ聞いたことがないのだ。実は、彼は早過ぎた草食系男子なのか。
そんな彼が繰り出す新書、その名も『寝ない関係』。どストレートすぎる、どストレートすぎるよ冬樹さんと言いたくなるが、このタイトルはそんな彼ならさもありなんというべきか。
本書で彼が主張するのは、異性とのセックスをしない関係構築だ。肉体関係が絡むとどうしてもややこしくなる。ややこしくなるとめんどーだから、セックスのない楽しい飲み友達の域に“あえて”とどまる。そんな関係もいいじゃんというのが彼の発想だ。
男性読者がこの瞬間ほのかな殺意を覚えるとすれば、それは「そもそも寝る関係になれてねーよ!!」という所から来るものだろう。案ずるな。終章はそんな殿方にQ&A方式で悩みに答える、その名も「寝たくても寝れない人たちへ」。ここまで来ると嫌みなのか何なのかわかんなくなってくるが、著者の自信が凄まじいのだけは確かだ。
ところで、著者が認めるこの「寝ない関係」の定義が実はややこしい。あくまでそれは、女として見れる相手なのだそうだ。寝たいと思える相手と、あえて寝ない。だからこそ意義があるというよくわからん著者の理屈なのだが、そんなの本当かよ?と疑いの眼差しを向ける人もいるはず。そんな読者に正直な彼は本書冒頭部で早くも告白する。実は、20代のころは「寝まくっていた」のだと。三股も経験あり、三人が三人とも自宅から徒歩圏内にいたという仰天エピソードまで飛び出す。
「つーか、若い時に無茶して、今は落ち着いたってだけなんじゃねーの?」というつっこみは、今年結婚する予定の彼にはしない約束だぜ、兄弟?
悲しみはヅラで飛ばせ~「ヅラ刑事」サントラファイル~
サントラということもあり、十曲程収録されていますが、特に表題曲が大変深い味わいがあり、耳から暫く離れそうにありません。ウケ狙いの曲かと思いきや、歌詞が深くてひきこまれる。人は皆、欠点を隠したがり、隠す行為をするとその思惑とは裏腹に余計に目立ってしまい見苦しくなる。そんな誰もが経験しそうなことを『ヅラ』をネタに歌い上げ、自然体でいることの潔さが欠点を欠点とみせず自然に映り、魅力や個性にすらみえることを語っている。モト冬樹さん自身『髪』をネタにしたり、されたりしながら、トレードマークにすらして芸能界でインパクトをはなち活躍されていることからもこの歌詞は説得力がある。ただ一方で、誰もが欠点をさらけ出せるわけでもない。寧ろその弱さや後ろめたさが人間の本質ともいえるだろう。だから歌詞でも、隠すことも時には良いと認めてくれてもいるので包容力も感じさせられる。一度聴いてみれば、自分の欠点と向き合い付き合っていこうとも思えるだろう。モト冬樹さんの低音で控えめな淡々とした歌い方が歌詞の説得力を強めています。落ち込んだ時や自分に嫌気がさすときにぜひ聴いてみてください。ちなみに、発売日が23日ということは、髪が『フサフサ』と掛けているのかもしれませんね、するとやっぱり本音は…。