Persian Grammar: Including Key
50年近く前に出版されたものだが、一般学習者向けのものとしては現在でも、最も詳細な文法書。 数度の改訂を経て、Exerciseへの解答、読み物への英訳、英文ペ訳などが加えられ独習しやすくなっている。 ペルシア語におけるアラビア語要素(日本語における漢語要素にあたる)の説明は上級学習者にとっては、さらに理解を深めるための端緒となる。
必ずしも全ての学習者に必携というわけではない。 現代イラン人との会話ができればよい、という人にとっては古典文法への言及は全く不必要だろう。 我が国でも数種出版されているもの、あるいは『Introduction to Persian』等の基礎文法書で必要十分である。 だが、文学・歴史等に豊富な古典を持つペルシア語の全貌をつかみ、学習の喜びを味わいながら読みこなしたい人にとって、本書は最良の手引きとなるはずである。 具体的には、黒柳恒男著『ペルシア語四週間』以上の知識を得たい人、前述『Introduction~』などで基礎文法の学習が終わった人にとり、本書は有用である。 本書で学習を進めるにあたっては、『大阪外国語大学学報』42号(1978)、45号(1979)収録の勝藤猛「ラムトン『ペルシア語文法』を日本人としてどう読むか(上、下)」が参考となる。