Weight Is a Gift
ニューヨーク出身の3人組ロックバンド
Nada Surfの4thアルバム。
彼らは
グランジ以降のパワー・ポップ
ポストWeezerとして
元カーズのリック・オケイセクのプロデュースで
メジャーElektraから1996年『High/Low』でデビューし
ヒットを記録。
しかし、彼ら自身が望むサウンドを求めた
2nd『Proximity Effect』の
サウンド・プロダクトをめぐり
レーベルと決裂し、解雇される。
苦労の末に権利を取得し
自身のレーベルMarDev Recordsから
2000年にリリースするも
世間からは忘れ去られた存在となる。
それでも彼らは
自ら投じたインディのフィールドで
地道に活動を続け
2001年、傑作3rd『Let Go』を発表。
ストレートなギターロックながら
磨き抜かれたソングライティングと
泣きのメロディ、憂いのあるヴォーカルで
ミドルからスロウテンポのなかに
情熱と誠実さを織り込んだ
素晴らしいインディ作品に仕上がり
世界中のインディロックを愛する
音楽ファンから圧倒的な支持を受けた。
本作はその傑作3rdの延長線上にある
メランコリックかつナイーブな
ギターロック作品である。
とにかく、メロディがよく
曲のクォリティが高い。
シンプルだが
表現力が豊かで
程良く疾走するギター。
バラードはどこまでも
切ない。
マシューのヴォーカルに
胸が締めつけられ
ギター・フレーズに涙する。
インディの大海で苦労してきたことなど
微塵も感じさせない
力強く、心を揺さぶるサウンド。
彼らが自分たちを信じ
音楽への愛情を注ぎ続けてきた証ともいえる、
誠実で瑞々しい曲達が
うれしそうにサーフするかのように
心の扉をノックする。