98年リリースの4th。NMEの年間アルバムチャートで1位にランクインされるなど、ヨーロッパを始めとする各国で大きな反響を見た屈指の名盤。
テナー&アルトサックス/トロンボーン/ピアノ/バイオリン/シンギング・ソー/テルミンまで、数多のインストゥルメンタル群が超自然的に絡み合い、一切の余剰を廃した純度100%の美しいサイケデリアを、独特のヴェールに覆われた夢幻の世界を創出していく。ジャズやブルースのクラシカルな匂いをも織り込みながら、途轍もなく美しい純白のメロディが繊細かつ壮麗なオーケストレーションと絡められていくその様は、本当に筆舌に尽くし難いまでに美しく、純粋で、この上ない昂揚感でもって全編を包み込んでいく。
ここで鳴らされるは まさに 恍惚の 音。
未だ誰も見出し得ぬ 至福の 音の 桃源郷。
耳障りのよいメランコリックなメロディと、完璧に構築された音のアンサンブル。しかしてフトその底を覗き込めば、どこまでも広がっていそうな果て無き深部が垣間見える。全ての音の果実が、鳴るべくしてそこに成っている。そんな無欠といっていいほどにパーフェクトな、本当に素晴らしい作品。
第18回東京国際映画祭にも出展されていた、ロヴァンソン・サヴァリ監督による長編映画『Bye Bye Blackbird』のサウンドトラック。19世紀のロンドン、巡業サーカス団を舞台に繰り広げられる物語の情景を、まさしくその音のみによって描き出していく、幻想的でシネマティックな素晴らしい作品。
眼前をうっすらとした霧で覆い隠すように、美しく煙ったストリングスが空間を満たしていく。聴こえる限りにおいて、ギターやベースといった基本的な器楽は用いられていない。アナログな質感のシンセサイザーが背後を夢中のヴェールで包み込み、オーボエやピアノ、テルミン、シンギング・ソーが交互に主旋律を担っていく。微小なサンプリングやエレクトロニカがチャイミーに舞い散るその幻想のサウンド・コラージュは、時として余りにも悲愴に、あるいは冷たく暗い昂揚を孕んで鳴り響き、そして多くにおいて白昼夢のようなノスタルジックな昂揚感で聴き手を包みこむ。
夢と現(うつつ)の境界(あわい)で揺れ動く、仄かな光を孕んだ美しい混濁のインストゥルメンタル・ミュージック。フレデリック・ショパンのピアノソナタ第2番を編曲したTr.10"the Last Of the Blackbird"、夢からの覚醒の中途のような、あるいは二度と戻れぬ世界へと踏み込んでいくような、幻想的な歪みに侵されたステージで謳われる女性ヴォーカルが素晴らしい終曲"Simply Because"など、Deserter's期の空気をさらに濃縮したような、素晴らしい非現実世界が繰り広げられています。
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1967年から逝去する04年まで、英BBC RADIO 1においてJohn Peelが手掛けたPeel Sessions。メジャー/マイナーを問わず多くのバンドが関わった名物番組だが、20年近いキャリアを持つMERCURY REVもこの番組との関係は深く、デビューから5thアルバムに至るまで、作品のリリース毎にこの「Session」を行っている。今作はその軌跡をコンパイルした、おそらくバンド側にとっても深い思いを込めたであろう一枚。とりあえず、記録された年代と楽曲を見てもらえばこのディスクの価値も自然と浮かんでくるはず。
Disc 1:
【JOHN PEEL SESSION 27/08/1991】
1.FRITTERING
2.CONEY ISLAND CYCLONE
3.SYRINGE MOUTH
4.CHASIN' A BEE
【JOHN PEEL SESSION 13/07/1993】
5.TRICKLEDOWN
6.DOWNS ARE FEMININE BALLOONS
7.BOYS PEEL OUT
【JOHN PEEL SESSION 02/07/1995】
8.EVERLASTING ARM
9.I ONLY HAVE EYES FOR YOU
10.RACING THE TIDE
11.CLOSE ENCOUNTERS OF THE 3RD GRADE
Disc 2:
【JOHN PEEL SESSION 05/05/1999】
1.I DON'T WANNA BE A SOLDIER MAMA I DON'T WANNA DIE
2.THE FUNNY BIRD/TONITE IT SHOWS
3.OBSERVATORY CREST
【JOHN PEEL SESSION 15/11/2001】
4.TIDES OF THE MOON
5.LITTLE RHYMES
6.SPIDER AND FLIES
7.PLANET CARAVAN
8.GYMNOPEDIES 3
9.HERCULES
ブックレットにはJohn Peelとの「記憶」を巡るJonathanの言葉も収められており、そんなところからもMERCURY REVというバンドが当初からこのSessionに対して特別な思いを持っていたことが伺える。また、それを裏付けるように、本作に収録されたトラックの出来はナントモ非常に素晴らしく、他の作品にはない魅力が濃密に詰められている。スピーカーを通してバンドの姿が浮かぶようなプロダクションは、ちょうど彼らの完璧なスタジオワークと、その圧巻のライブパフォーマンスとの中間に在るようにも聴こえる。
静かに満ちる潮騒のような"Frittering"から始まる初期の楽曲群は、オリジナルと比べて非常に高い明度のイカれた音の重奏が物凄く刺激的。David Bakerのぶっ飛んだヴォーカルに雄叫びを上げるギター・ノイズが呼応する"Chasin' A Bee"、その華やかなカオスをいっそう絢爛にして魅せる"Trickledown"のアレンジを始め、いつもより一段と多彩な表情を覗かせる楽曲群はマジで聴き応え十分。何の違和もなくサバスの"Planet Caravan"へと旅立ち、サティの"Gymnopedies 3"で幻想的に揺れ、ラストの"Hercules"で再び高く飛翔していくという展開も凄くいい。ある意味、先のベスト盤よりも上手くバンド史を総括できているようにも感じる。
これまでも傑作は出していたが今作ではさらに突き抜けた感がある。これを聞いた後に旧作を聞くと如実に違いを感じ、古さすら思わせる。ダークサイドでアンビエントな雰囲気は継承しつつも何か軽快だ。エレクトリカルでテクノチックな曲が多く特に2曲目の「Butterfly's Wing」は堪らない陶酔感が味わえる。そのPVがなぜか日本的なものに仕上がっているのも興味深い(正直合っていないような・・)。ぜひライブで味わいたいものです。
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