特に野島講義4が面白い。日本史で大変なブームとなり、その世界では、基本的常識となった国民国家論の入り口へ導いてくれる。野島氏の立場は、日本の国民国家論の火付け役である立命館の西川長夫教授のように、国民国家を相対化して、批判するというものよりは、本書221ページに写真で紹介されているベネディクト・アンダーソンの想像の共同体に近いように思われる。国民やナショナリズムの起源をフランス革命ころにおき、小説や新聞、言語の国民概念形成に果たした役割を考えるように読者を誘う。日本の特殊性を言い募るではなく、世界史のより高い観点からみた日本の近代化の普遍的側面への視野を開いてくれる。この普遍的視野こそ、日本人が自らの過去を客観的かつ冷静に見つめ考え、そして中国や韓国にも卑屈にもならず、尊大にもならないために必要なことであると思う。最も配当ページ数は少ないようだが内容はもっとも濃く、深いのが日本史の部分であろうと思う。
肩に力を入れずに楽に読める本でした。対談形式なので、興味のある部分から抜き読みしても通読してもいい内容で、五木寛之、鎌田東二の両氏とも、深い知識に裏打ちされており、自説に固執しない幅広い議論を文献・歴史的事実に基ずいて議論しいる点が好感が持てました。両氏の、“神道は宗教としての理論とか、思想としての体系をなしていない原始宗教で、経典がなく、厳密な意味での教義がない”との指摘は興味深いものがあります。私個人としては、こうした事実にもかかわらず、現在に至るまで神道が生き続けていることに、不思議なものを感じました。また、両氏とも神道はアニミズムであるとしながらも、大自然の大いなる力に帰依し、畏怖畏敬するものとして評価しています。この本では自然に魂が宿るといった霊性をポジテブにとっており、こういった神をオヤ(=親、祖、オヤガミ)とする思想は、アニミズム的ものをネガテブにとる立場(例えばフロイトの‘モーセと一神教’に書かれているような)と対照的であり、考えさせられました。その一方で、この本では、神道をその本質とは全く切り離して利用した、1)戦時中の日本軍部の国家神道や2)現在の政治家の靖国参拝に対しては、その矛盾を非難しており、バランスのとれた内容であると思います。
タイトルが非常にダサくてスイマセン。当時十代終わり頃でした。今のようにビデオやDVD等なく好きな時にみれなかったので三回ほど劇場に足を運びました。二度とあれ程のスケールの邦画は創れないでしょう。私も数カット出演していますが物凄く過酷な撮影だったのが今ではいい思い出です。エンターテイメント性が全て詰まった作品です。皆さん是非一度ご覧になってください。損は、絶対にしません。
神道、霊への興味、スピリチュアルへの関心、
そして、このタイトル「霊の発見」そして…
著者が五木寛之さん、鎌田東二さんである。
正直なところ、答えがほしかった!
このひと言に尽きると思う。たくさんの神道
の本を読んできた。たくさんの霊の本を読ん
できた。海外のノーベル賞級の学者たちが
捕まえようとしても捕まえられなかった「霊」
なるもの。
いくら書物を読んでも、いくら話を聞いても
確信が持てない、霊そして神という存在。
この書籍も明確な答えはない。
それこそが、霊であるということ。自分が肌で
感じ、心で感じるものが霊、霊魂であるという
ことを改めて痛感させてくれる。
そのことを、この二人から教わっただけでも、
価値があったのかもしれない。
そして、自分の思いは果たせたのか果たせな
かったのか、いずれそんなことすらも考えない
ですむ「無」にたどり着きたいものであると。
五木さんが、「恐山」を訪れるくだりなどは、
さすがにゾクゾクするものを感じた。
このテーマに興味があれば読んでおいたほう
がいいと思う。
生意気に聞こえたらお許し願いたいのですが、私はスピリチュアリズム=神秘・精神世界には一通り明るいとの自負があります。しかし頭で理解していても実践が難しいのが我々生身の人間の悲しさです。暴力はいけない事だと理性では解っていても、身に危険の火の粉が降り掛かれば振り払わねばなりません。初心者は本書に説かれた内容をごく当たり前の道徳規範と読み流してしまうかも知れません。しかしそれは「真理」とは唯一ごくシンプルなものであるからです。江原氏の著作以外の哲学書やスピリチュアル関連の書物を広く読む事をお勧めいたします。そのどれもが同じ真理を説いている事に気付かれるでしょう。また本書を読んでにわかには信じられない事柄も「裏付け」をとることで確信を得られる事でしょう。ただ、それを頭で理解しこの宇宙の真理を悟ったとしても、それが日常生活に実践され活かされなければ、何の意味もありません。我々市井の生活の中で遭遇する様々な出来事に際し、どうリアクションをとれば良いのか。聖人君子ならぬ我々は戸惑うばかりですが、江原氏の著作は初心者の水先案内書となるばかりで無く、実践応用に役立つ具体的なアドバイスをくれます。様々な人生、様々な幸福や不幸や悲劇がありますが、ただ一つ確かなのは、この世界に貴方の人生の辞書に偶然という項目は無いという事実です。不運やどんな馬鹿らしい出来事の背景にもちゃんと意味があります。本書では恋愛や結婚についても言及されますが、特に女性にとっては大きな関心事でしょう。よく「男運が悪くて」とぼやく方がいますが、ご自身がそうした相手を惹き付け選んだ事は棚に上げ運命のせいにしては何も解決しません。江原氏が説く「波長の法則」を理解できればその不運の道理がお分かりになる事でしょう。本書をお読みになり、自分は何をしに今生に産まれて来たのか、よく磨いた鏡に向き合ってみることで新しい世界観が拓けます。
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