ジャン・ポール・ベルモントは、いわゆるチンピラのイメージを作り上げた。 誰もが、ベルモンドを真似し、憧れた。 フランス、ヌーベルバーグの記念碑にして、永遠に残る名作。 映画が作り物としての娯楽に進んだ時、これらをぶっ壊す勢力が現われた。 ジャン・リュック・ゴダールは、既成の映画手法を使用せず、ハンディカメラで街に飛び出した。 ドキュメンタリーのようで、映画であり、記録のようで創作。 ベルモンドは、小悪党になりきり、あっけなく死んでゆく。 ハリウッドの大作を見慣れた人には、衝撃と新鮮さを与えた。 それにしても、ジャン・ポール・ベルモンドが最高にいい。彼がいたから作れたとも思える。 確かにこの時期、新たな文化・芸術運動が起きた。それはヨーロッパ映画から斬新な形で起きた。この映画は、世界中を驚かした最初の波だった。 映画ファンの方には、是非観てほしい。
ネオ・スウィング・バンドでありながら、パンクロックを基調にしたジャイヴ感覚はASA-CHANGのものともEGO-WRAPPIN’や東京スカパラとも違う、ダーティでチョイワルなクールさを湛えます。ジャズが持つレトロさと男の不良さがロックするクロスオーヴァーな音が鳴っているのがこの“勝手にしやがれ”というバンドです。メンバーはリーダーの武藤昭平(ドラムス&ボーカル)、田中和(トランペット)、福島忍(トロンボーン)、浦野正樹(ベース)、田浦健(テナーサックス)、飯島誓(バリトンサックス)、斉藤淳一郎(ピアノ)。スーツに身を包み、ストイックで漢くさくも踊り出したくなるスウィングやグルーヴを作り上げてきます。特に武藤氏の声は、チバユウスケほど完成されたオーラではないものの、彼のようにガラガラした声で乾坤一擲の力を叩きつけガナり倒すVo.になっており、当に各楽器を引っ張るエネルギーの源というような存在感でした。
作品はほぼ歌もので、THE ZOOT16やEGO-WRAPPIN'、オダギリ・ジョーとのコラボや、資生堂unoタイアップ曲になった「U-K」「U-K-2」(どちらもインスト)収録と、聴き所もたくさんあります。特に「チェリー・ザ・ダストマン」におけるオダギリ・ジョーのVo.が非常に素晴らしいんです。ガナリつつも音程のバランスが抜群で、なによりパンクにおける重要な歌表情のニヒルさが完璧なんですね。一方EGO-WRAPPIN’の中納良恵が参加する「ヴェルモット・フラワーズ」では彼女の力で最もしなやかさをみせる楽曲に。その涼と熱が並立する歌声が、武藤氏にない伸びやかなレガートを音楽に与えるからです。
他にも「ブラック・マジック・ヴードゥー・カフェ」の華麗さから「バニー・ホップ」の古きよきビ・バップまで実に多様な旋律をみせ、どれも映画のワンシーンのような生き生きとしたナンバーが多く最後まで一気にきかせる勢いがありました。
内容は今更語る事もないくらいゴダールの有名な作品。
とにかくDVDにはもう戻れない。それくらい画質がきれい。今まで自分が見ていた勝手にしやがれは何だったのか? てくらいきれい。 字幕も見やすくて良いですね。
手元に置いておきたい映画です。
ハードディスクの大掃除中にたまたま
外付けのハードディスクの中にあった音源。
あらためて聴いてみるとこれはスゴイ。
選曲も曲順も最高だ。
何よりも福山雅治さんの先輩アーティストたちに対する
敬意と愛にあふれたカバーアルバムだったということを再認識する。
発売からすでに6年以上たっているけれど
これはホントに名盤です。
「息ができない」という意味の原題は、「海も山も都会も田舎も好きじゃなかったら息ができない」と最初に車のなかで銃を振り回しながら口ずさむベルモンドの自由への旅立ちの言葉。「空気が足りない」と言って殺しを犯したラスコーリニコフ(ドストエフスキー『罪と罰』)や「太陽のせい」と往って不条理な殺しを犯したムルソー(カミュ『異邦人』)に習って、ミシェールもきちんと警官殺しをやってくれる。 パリでの撮影はハンドカメラによるお手軽ロケみたいなシーンばかりで、ハリウッドもののように室内に三脚を立てて撮らないのだな、と思いながら見ていた。それはやはりパリが絵になるからなのだと思う。モノクロの映像の中でも、凱旋門を中心とした道路とそこを行き来する車の流れ、建築物の荘!重さ、夜のヘッドライトの流れと瞬き……ゴダールはやはり、とことん映像作家なのである。 ミシェールは生まれついての犯罪者であり、それがロミオとジュリエットのように国籍も育ちも、住む世界も違う、そんな娘に惚れちゃったばかりに悲劇を呼ぶという、何となく説明のつく落ち着きのいい話になっていると思う。女性に惚れ、女性に棄てられると死を選ぶ。無軌道というよりは、すべてか無、生か死かの世界だ。あまりにも刹那的で明日なき世界。孤独でやるせない物語なのだ。 ハンフリー・ボガートに憧れ、ルノワールには目もくれない。音楽は嫌いだが、女は好きで、始終煙草を吸っては煙を吐き出して空気をかきまわしている。これじゃあ息ができないわけだ。言葉と映像のキャッチボールがとても面白い!というのも、ゴダールの特徴みたいである。
|