同じシリーズの「たけくらべ」と共に購入しました。訳文はこちらの方が現代的で読みやすいという印象です(その辺りは個人の好みだと思います)。現代語訳は本当に読みやすくてあり難い。自分としては、訳者の後書きもこちらの方がよいです、一葉を更に読みたくなります。 それにしても、これだけ様々な立場の人間の心を描くことができる一葉の技量というのは、本当にすごい。一葉の作品は写実文学ですから、「にごりえ」を始め、悲しい話が多いですが、現代人も共感できる人間の心の不可思議さを描き出してくれていて、非常に惹きつけられます。 日本が誇る天才女流作家の名作、若い女性に特に読んでいただきたいと思います。
樋口一葉は学校時代に一度は目を通したけれど、文語調がよみづらくて挫折した、、、そんな方にもういちど読んでほしい一冊です。 私もそうだったんですが、五千円札になって、あらためて読んでみようと思ったら、するする入り込めました! 一葉の経済的な悩み、恋いの悩み、はがゆい初恋、、。そのリアルさときたらまさに私達とおんなじなのです。 着物の描写もすばらしいので、じっくりと想像力を働かせながら、ビジュアルでとらえると、急にいきいきと彼女の世界がひかりだします。
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