独立して家を出る前だった叔父は主題歌に出て来るフレーズの「KOパンチ」ってのはノックアウトの略なんだぞー、と説明しながら一緒に見てくれてました。学校どころか保育園にも上がる前だった私は何の事かさっぱりわかりませんでしたが。それとあの悪者のギロン星人てヤツをお湯に入れたらいいダシが出そうな気がして仕方なかったなぁ。何となく今でもボールペンを見るとラスター号の事を思い出しますね(形、似てないですか?)。
初出 光文社『月刊少年』。エピソードの順番を入れ替えてないという推定で掲載号を書いてみる。 海底を行くの巻 1961年9月号 月人あらわるの巻 1961年10月号 立体インキの巻 1961年11月号 四次元西部旅行の巻 1961年12月号 地底世界への巻1 1962年1月号 地底世界への巻2 1962年2月号 インスタントタイガーの巻1 1962年3月号 インスタントタイガーの巻2 1962年4月号 交通戦争大作戦の巻 1962年5月号 磁力飛行機の巻 1962年6月号 無人島へ宝探しの巻 1962年7月号 沈んだロケットを探せの巻 1962年8月号 アフリカ旅行で遭難?の巻 1962年9月号 タケノコロケットの巻 1962年10月号 ソンタ・スコープの巻 1962年11月号 ニセサンタを捕まえろの巻 1962年12月号 ソンタラビット号の巻 1963年1月号 サイミン術強盗団の巻 1963年2月号 史上最大の捕鯨作戦の巻 1963年3月号 ソンタカバリカ号の巻 1963年4月号 ドッコイエキスの巻 1963年5月号 水を燃料に!の巻 1963年6月号 ソン太の昆虫採集の巻 1963年7月号 助けた亀につれられての巻 1963年8月号 ストップグラスの巻 1963年9月号
あさのりじの代表作のひとつ、「発明ソン太」ですよ。1981年に出た全2巻を持ってるけど、やっと念願かなって完全版。リアルタイムで読んだ記憶があるのは1964年の夏頃からなので、上巻に収録されてるのは以前の単行本以外では読んだことがないはず。で、読んでるとまったく記憶にない。ゆいいつ、ソン太ラビット号だけは覚えてたけど。前の単行本を掘り出してつきあわせたいが、どこに埋めたやら。
科学知識、時事ネタをちりばめて、メカや動物をシンプルな線できっちり描いてる作風が今読んでもすばらしい。科学解説マンガも多数手がけている人なので、そういう知識がこの作品にも生かされていると言うことかな。
ところで、中に出てくるモグラクターというメカは、これとそっくりなキャタピラ配置のプラモデルが数年後に出ているけどなんか関連があったのかなぁ。
この巻がマンガショップシリーズ407だそうで、全部買ってる人もいるんだろうなぁ。とてもついて行けません。そんな中でこれは無理してでもも欲しい作品だった。 無理して買ってよかった。満足です。
あさのりじ版「光速エスパー」は、雑誌「少年」に連載されていた当時、リアルタイムで読んだ。
あさの氏の作品は「発明ソン太」なども同じだが、不思議な曲線で描かれたメカが、実に生き生きとメカとして作品中で動いている。
少年心にも、面白い絵だと感じられたものだった。
大人になり、すでに少年の心をなくした私であったが、今再びあさの版「光速エスパー」を読む機会を得て、失われたものが戻ってきたように感じた。
今、このようなマンガはない。
マンガが子どものものであり、みんなが子どもの目線で作品を雑誌を作っていたことが、今になって分かる。
ストーリーの細かいつじつまなど、どうでも良いのである。
まず面白いこと、そして正しいものが勝つ、ということが大事なのだ。
徹底したデフォルメがされているのにもかかわらず、終始崩れないデッサン力による安定した絵柄。
昔のマンガ家より、多分今のマンガ家の方が絵はうまいのだろうが、余計なものを書き込まない、というのは、実はとっても難しいのだ。
なにしろ、ごまかしがきかないのだから。
エスパーが東芝のキャラクターであり、販促を兼ねたマンガ化だったことは有名である。
でも、のちのテレビドラマ化と連動して始まった松本版「エスパー」より、私はあさの版のほうがずっとずっと好きだ。
松本版よりあさの版が評価されない理由が、私には分からない。
単純な線、単純なストーリー、しかし、そこから飛び出す爽快感こそ、少年マンガの真髄である。
あさの版「エスパー」には、まちがいなくそれがある。
今では「アンパンマン」などの幼年向けマンガでしか見られなくなってしまった絵柄だが、かつては手塚、石森、横山、藤子諸氏の作品など、みんなこういう感じだった。
白土三平だって「ワタリ」や「真田剣流」のころはムダな書き込みはなかった。
久松「スーパージェッター」などもこの仲間だ。
みんな夢中になっていたものだ。
うん、実にヒーロー物に良く似合う。
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