絵画と音楽にまつわるホラー。 新たなアイドルグループをプロデュースする男は既に死した邪悪な芸術家の信奉者だった。彼の絵をアイドルの新曲ジャケットに使い、曲のプロモーション映像にもサブリミナルで絵を挿入、そして歌詞に呪いのフレーズを入れ、呪いを拡散させる。やがて曲を聞いた者達が不慮の死わ遂げるようになり・・・ 真相に気付いた画廊のオーナー美島孝と彼の息子と娘、彼の擁する画家の影、警察の霊的防衛担当者等は事件を追いプロデューサーの行方を追う。 どうやらシリーズものらしい。
「四神金赤館銀青館不可能殺人」、「紙の碑に泪を」につづき同氏の作品はこれで三作目になりますが、
本作「三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人」はそれらを上回り更には此岸へ行ってしまったような出来でした。
先ほど述べた2作でもそうでしたが、これらの作品では作者は伏線に病的なまでの拘りを見せていて、
読んでいるこちらが「引いて」しまうくらいのことをしでかしてきます。
普段夜中に徹夜で静かに読むことが多いのですが、作中の「とある趣向(文章構成の狂人的拘り)」にとうとうニヤリとするどころか笑えてきてしまいました。
今まで読んだ「バカミス」と括られるジャンルの本の中でもここまでのものは珍しいでしょう。
ただそのせいで敷居は非常に高くなってしまっているような気がして、あまり他の人にも読んでみて!と素直に薦められないのが正直なところです。
普通の本格ミステリを読み過ぎて目が疲れてきた方、そろそろキワモノにも手を出してみようかしらと思っている方などは、
是非「四神〜」「紙の碑〜」「三崎〜」を手に取っていただけたら、と思います!
予想以上に、と言っては怒られますが、予想を遙か凌駕して狂気の片鱗まで感じさせて貰えた怪作でした。
人生の転機や危機に瀕した人々が出会う怪異を描いた短中編です。 10個の話からなります。
直接、幽霊などを描いたものは少なく、状況、雰囲気が中心となっています。 そのためか、雰囲気に呑まれてしまいました。 一つ読んだら、次が読みたい・・・という感じの本でした。
死のにおいが、そこはかとなく、そして、濃く漂う、、そんな作品ばかりです。 いたるところに、風景からも登場人物からも死のにおいが、します。 きてました。
この作家が、こんな作品を書くことが、すでにトリックとなっていて、最後のどんでん返しが鮮やかに決まる。泣ける「人情ホラー」というジャンルの確立かもしれない。
最近、料理人が主人公の時代物が、数多く刊行されている気がする
流行っているのかな
本作は、脱藩した元武士の料理人が主人公
連作短編5本を収録
タイトルが示す通り
その人にとって、人生の一杯となる料理にまつわる話が描かれる
例えば、1話では人生の最後を迎えようとしている老人の為に
彼が子供の頃母親が作ってくれた蛤汁を再現しようと苦心します
また、お客さんの心をうつような料理の創作にも務めます
俳人でもある著者らしく
各話の終盤で俳句が詠まれる場面があり
話を盛り上げます
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