Aphex Twinらと並び、テクノ界の革命児Squarepusherの問答無用の最高傑作!!! どのアルバムを聴いても思うのですが、とてつもなく多彩で豊かなサウンドです。 長尺曲から短い曲、ライブ音源まで。音楽のジャンルもテクノやエレクトロニカから、 アンビエントにドラムンベース、ラップに彼お得意のジャズ、さらにはクラシック・ ギターまで…、幅広過ぎです…。そして実験的。 これでこのアルバム全体の統一感、漂うメランコリーと儚さ、脆さ、 全てにおいて芸術として完成された作品だと思います!!!散漫としてないのも凄い…!!
1995年に出されたトラックのCD化。
1995年のUKミュージックシーンは、Goldie(MetalHeadz)の台頭からJungleからDrum'n'Bassに移行していった年である。
そんな動きの中、AFX(Richard D. James)なりに解釈・昇華した姿が、この作品の音に現れている。このことは、"Custodian Discount"で感じ取れる。下敷きは同じかも知れないが、実験的であり独創的な音作りをしている。誰にも似ていない。それは、彼が"1人1ジャンル"であるからであろう。
個人的には、Richard D. Jamesの楽曲名に"Everyday"と題されているのは衝撃的である。彼の毎日は、このような音のように切迫しているのだろうか?本人が表現しているのだからそうかもしれない。かなり謎である。
また"Children Talking"でのMashed potatoesというサンプリングには、子供が言葉の意味に囚われず、言葉の響きだけで連呼してしまうところを表している。
もしかしたらこの点が、彼の音作りの大きな要素だと思う。
興味深く面白い貴重な1枚であることは、間違いない。
バンドの演奏は非常に抑制が利いていて、
しっとりした印象を受ける曲もいくつかあります。
私はこの人の、ロマンチックで甘ったるい一面に陶酔してますので、
このアルバムも十分アリです。
リアルタイムで「Port Rhombus EP」の頃からのファンですが、今作品、昔の様な恐ろしいまでのドリル感はありませんが、その分、chip tune系の音で美メロの物凄い世界を作っていたり、アシッド部分でいつもにも増して細かく頑張っていたり、ノイズを上手くリズムに絡めていたりと、それ以外にもそれなりに面白いところは多々あります。
昔も色々と面白い試みはしてきていますが、今回はあまりゴタゴタせず、シンプルで聞きやすいスクエアプッシャーであるのかな。とも解釈しています。 「こいつわかっているな」と聞いていて「ニヤリ」とさせられてしまう場面が多々あり、とても楽しませてもらっています。
『天才は健在』と言うところでしょうか。
確かにGo Plasticのころのような、宣伝文句どおりのピュアなエレクトリックミュージックです。2曲目なんてThe Exploding Psychologyのリミックスに聴こえなくもないし。 ですが、この人の作曲の土台にはエレクトリックベースの即興性が欠かせないわけで、その土台がない分だけまとまりに欠ける印象です。もうひと盛り上がりあってもよさそうな展開で次のフレーズに移ったりとか、エフェクターの性能に任せてしまってる感じがあったりとか、全体的にぎこちなさを感じました。余韻がなく唐突に終わる曲が多いのも、もしかしたら意図的にそうしてるのかもしれないのですが、肩透かしを食らった気分になります。
いまやベテランの域に達してしまったSquarepusher、そのネームバリューのせいで少し過大評価されているかなという感じです(もしくは広報が煽りすぎ)。このジャンルに挑む若手のほうが自由でキレのある音楽をどんどん生み出していると思います。(それでも私は彼の熱狂的なファンとしてこれからもずっとCDを買い続けるつもりですけど…。)
悪くない、悪くはないんだけどなー、なんかあと一歩踏み込めてないから、壁を壊しきれてない感じがする。
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