山下洋輔トリオは1969年に結成され1983年に解散するまで14年にわたり、日本のジャズ界を席巻し続けた伝説のフリー・ジャズ・トリオだ。この間にメンバー交代を繰り返したが、ベースレス、ワン・ホーン編成で、高速フレーズを叩きつけ合う、独自のコンセプトを生み出した。
結成40周年を記念し、トリオと関係が深い日比谷公園野外音楽堂(日比谷野音)で2009年7月19日に、コンサートが開催された。このDVDはその記録である。
山下トリオはメンバー構成から第1期から第4期に分類される。この日は、曲順に過去に遡るメンバー構成でライブが繰り広げられた。
なかでも最強であった第2期トリオ(坂田明、森山威男、山下)の演奏が素晴らしい。「クレイ」と「ミトコンドリア」だ。72年当時に比べると、音の密集度という点では後退が否めないものの、トリオ演奏のダイナミズムという点では、当時に勝るとも劣らない。3人の決め技が定型的に次々決まる様は、歌舞伎の名人芸を見ているようだ。う〜ん、感服。
第3期トリオ(坂田、山下、小山彰太)によるアルバートアイラーの「ゴースト」では、欧州観客を熱狂させた、坂田のハナモゲラ歌謡や「赤とんぼ」メロディーもとび出す。
当時の前衛であったフリー・ジャズが古典芸能となっていく様は、なんだか奇妙なものだが、シアトルではジミヘンの銅像が建っているぐらいだからまあ良しとしよう。
1975年の洋輔トリオのライブでの疾走感を余すことなく体験できる1枚。山下洋輔,坂田明、森山威男のテクニックの凄さは今更言うまでもなく、聴く者を興奮の坩堝へと誘う。すでに海外での名声を博していた同トリオであるが、このトリオの後ではどんなバンドをもってきてもウケナイというので常にトリを任されていたというのも頷ける。興奮のあまり、何度も繰り返して聴き、眠れなくなってしまった。
20数年前、LPレコードを買って、針を落として聴こえてきたのは武田コルトレーンでした。
それまでは山下洋輔は「いつものピアノ」しか聴いたことがなく、この人普通にバラード弾ける(当たり前ですが)んじゃない!と思ったものです。
コルトレーンのバラード(インパルス盤)を日本人として解釈したものと言うと少々乱暴ですが、いいですよ、これ!
町田康が大好きなのはわかりました。
対談を格好良く書いてないのところが気に入りました。
普通もっと格好良く編集したりするのですが、語り口調など変えずに書いていることが判り、好感をもちました。
この本を読んで、落語とかにも興味をもつようになりました。
趣味を増やすのには良い本です。
非常に広大な宇宙を内面に持つ山下ワールドが満喫できる。マグマが噴火する瞬間を君も体験しないか。10点中10点
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