田園都市線、中央林間を舞台にした3組の夫婦のお話。なんとなくバブリーな頃のお話なので登場人物もトレンディな感じです。読んでいてそんなに疲れなくほのぼの?した感じです
1985(昭和60)年8月から12月にかけて放映。この年、テレサ・テンの「愛人」などもヒットしていたため、このドラマも“不倫ブーム”―って何なんでしょうね、一体……―の象徴、みたいな不可解なくくり方をされていたけれど、『飛び出せ!青春』『俺たちの旅』などの傑作ドラマを次々にヒットさせてきた鎌田敏夫さんが脚本を手がけただけあって、そんな安易なものではない。不倫という以前に、恋というもののせつなさや不思議さ、その“静かな嵐”の中やまわりで翻弄される人々の心の動き、そしてひとりの人を大切に思って生きることの難しさや素晴らしさも、しっかりと描かれている。当時、青春まっさかりだったオレも(自分で言うかな…)、地元・仙台でもちょこっとロケが行われたこともあり、見事なまでにハマってしまったのだった。
本作の重要なモチーフとなった佳作『恋におちて』をはじめ、オンエア版では『バック・トゥ・ザ・フューチャー(パート1)』など、数々の洋画のシーンが登場するのも魅力だったが、このDVDでは『恋におちて』の映像を除き、すべてカットされている。また、喫茶店などでのシーンの店内BGMは、基本的には差し替えられており、それによりセリフが聞き取りづらくなってしまっている部分もある(ちなみに、子供が遊んでいたファミコンゲームの映像はカット、音声は差し替え)。しかしその一方で、再放送などの際にはカットされることの多い、本放映で22時ちょうどに流れていた提供クレジットの背景映像、次回予告、さらには主題歌レコード(!)プレゼントのお知らせなどが収録されており、1985年当時の雰囲気を多少なりとも味わうことができる。
懐かしさと、色あせない華やかさとともに(画質は多少、劣化していますが…)、誰かを大切に想う気持ちを思い起こさせてくれる、見ごたえ十分の傑作ドラマとしておすすめします。
バルタン星人の生みの親で、初期の円谷プロの作品(ウルトラマン、ウルトラセブン、怪奇大作戦)を支えたTBSのディレクターというのが、飯島敏宏さんの一般的な認識かもしれない。
しかし、故・実相寺昭雄氏の小説にも出てくるように、実相寺氏がTBSに辞表を出す際に付き添い、その場で社長から木下恵介プロへの出向を命じられる・・・以後、木下プロのプロデューサー・ディレクターとして活躍し、代表作に「金曜日の妻たちへ」などがある・・・詳しい人でも、ここまでがこの飯島氏の一般的な認識だろう。
本書は、幼少時から慶応大学時代の放送研究会でのラジオドラマの執筆、黎明期のTBSでの八面六臂の活躍、そして木下プロでの活躍を主に描き、円谷プロでの活躍には多くの紙面を割いていない。特撮絡みの話を期待した方には、少し肩透かしかもしれない。
また、本書は千束北男というペンネームで書き続けたシナリオライターとして実績、そしてディレタクーとしての華々しい実績というアーチストとしての面と、更にTBSの社員として木下プロに出向し定年を迎えるというサラリーマンとしての人生を全うした稀有な人物の一代記である。飯島氏は、ある意味私が尊敬するサラリーマンプロ(通称サラプロ)として成功した人物だ(因みにもう一人サラプロとしての成功例としては、幻冬舎の社長の見城徹氏も挙げられる)。
木下プロに出向してからの話は、これまであまり語られてこなかったこともあり、非常に新鮮だった。特に巨匠・木下恵介との駆け引き面白いし、巨匠の語られてこなかった一面を浮き彫りにし、大変興味深かった。
今まで誰も書いてこなかった巨匠・飯島敏宏のミッシングリングを埋める貴重なインタビュー集だ。また、捕遺に収録された小説とシナリオは見事だった。千束北男というシナリオライターの才能を見せ付ける素晴らしい資料だった。
実にいい本だ。一読の価値は十分すぎるほどある!
折々に登場する受話器の大きさに、
懐かしいの匂い、時代の匂いを感じる。
不倫と再生を、やや大げさながら、
明るく旅立ちとして、表現。
ノーテンキな団塊世代の大らかさがひしひし。
バブル期直前の勤勉さ堅実さと豊かさの同居した、
微妙な匂いが、良く出てて、面白い。
歴史的傑作を、懐かしく、楽しみましょう。
何と言っても鎌田敏夫の脚本が素晴らしかったです!前半の山場である第5話の草津高原の4家族合同旅行までのストーリー展開の巧みさ!板東英二(このとき何とドラマ初出演!)+篠ひろ子、竜雷太+田中好子のコミカルな夫婦と、伊武雅刀+高橋恵子、小西博之(演技は下手なのに、凄く存在感あり!)+岡江久美子のシリアスな夫婦の対比の上手さ!バブルを迎える前の、高度成長期の最中の一戸建て住宅に憧れていた時代が、「パラダイス〜愛のテーマ」と共に懐かしく感じました。個人的には、篠ひろ子に最優秀主演女優賞!女の可愛さ、ずるさ、本音を見事に演じていました。今や伊集院静夫人になり、女優業を休んでいますが、このシリーズは彼女の代表作です。
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