特にカラヤンファンと言うわけではありません。
ダボハゼのようになんでも聴いていますが、やはりバッハが好きです。
ある人から教えてもらって入手しました。
最初、カラヤン指揮&Cmbとあったので???でした。
慌ててみてびっくりしました。
チェンバロを弾くカラヤン・・・左手をカラヤンらしく優雅に(または気取って)あげてオーケストラを指揮する姿。
あ〜びっくりした。
曲自身が名曲ですが、音が素晴らしいです。
映像的にも様になるカラヤンですので、観ていても楽しかったです。
40年以上前の映像とは思えないほど音はきれいでした。
好き好きでしょうが、これはお買い得でした。
ベロフのピアノは「20の眼差し」と同じトーンである。彼の1974年までの録音は黒光りする鉱石のような響きを持つ妖しい演奏で素晴らしい。現在も悪くはないが、どうして75年のバルトーク録音から妖しさが消えて、よりクリアーなトーンに変わってしまったのか? 今からでも遅くはないから昔のトーンに戻ってくれたらと思うのは、私だけであろうか?
収録はお馴染みのサン・モリッツでだろうか。小ぢんまりとした昔風の歌劇場といった趣き。解説によると同地レヌ・ヴィクトリア・ホテルの小ホールではないかとのこと。時期は1967年の由。
演奏は可もなく不可もなしといったところか。グラモフォンでのスタジオ録音同様、流麗で響きが美しくてアクセントにも欠けない、要するに聴き映えのするバッハで、人によっては耳当たりがよ過ぎて聴き応えがない・軽い・浅いと感じるかもしれない。とは言え、例えば当時のエラート・レーベルの各種録音などに比べると、バスが利いてキビキビ・ガッチリした伝統的ドイツ・スタイルに根差した演奏ではあると思う。何より、カラヤンのリラックスした指揮ぶりとチェンバロ演奏は確かに一見の価値がある。
撮影についてはいつもながらと言うか相変わらずと言うか、全身を映すのはカラヤンのみ。他のプレイヤーは、時に額の生え際にまで寄るかのようなクローズ・ショットが専らで、オーケストラ全体を正面から捉えた映像はついに最後まで見られない。フルートのツェラーの唇のアップなどはいささかグロテスク。ポリフォニーとの同期を狙ったのか、余りに頻繁なカッティング(ブランデンブルク協奏曲は特に)も演出過剰で煩わしく、照明もギラギラと目にきつい。
一番面白かったのは楽器の配置で、オーケストラ正面に向かったカラヤンのチェンバロと互い違いにもう一台が置かれ(当然ながらどちらもゴツくて大きい、グランド・ピアノと見まがうモダン・タイプ)、適宜ハーモニーを充填したり、指揮に忙しいカラヤンを補助したりしている。当時・当地の標準的なスタイルだったのか、それとも理想のサウンドを目指すカラヤン独自のアイデアなのか。そう言えば同時期のヘンデル: 合奏協奏曲集 op.6では曲ごと・楽章ごとに通奏低音をチェンバロ、リュート、ハープと使い分けていたのを思い出す。肩の力を抜いているようでいて、こういうところにもこだわりを見せているのだとしたらさすが。これらの曲のベスト・パフォーマンスではないにしても、また映像面で色々不満はあるものの、懐具合に余裕があれば持っていて損はしないディスクだと思う。
ところで、その第二チェンバロを演奏しているのはテオドール・グシュルバウアーではないかと思うが如何。
心地いい音楽が幾多の疾患に著効があるのは、最近の医療報告の中でも指摘されているが、クラシックとしてのモーツァルトが脳神経系疾患の予防に有効なのは、新たな治療法としての音楽療法の取り組みへの実践を意味する、全ての病にストレスが関与しているなら、そのストレスを軽減する効果大の音楽療法は最適な予防医学としての治療法かもしれないといえる、その意味でも革命的、画期的作品である
これまで、カラヤンとバッハのイメージが合わず、カラヤンのバッハは「G線上のアリア」しか聞いてなかった。今回、組曲第2番を聞いてビックリ。聞きあきていたはずなのに、演奏に引き込まれ最後まで、いっきに聞かされた。ベルリン・フィルの底力ある演奏に煽られたように、ツェラーのフルートも、のりに乗っている。張り切りすぎて、フルートが一部、上ずっているところがあるが、そんなことは問題にならない。カラヤンは、大きな流れをつくり出し、聞く者はそのうねりの中に、身をまかすのみ。大バッハの音楽様式、精神性を論じるよりは、演奏をだまって聞いて欲しい。豊かな音楽の中に、心をゆだねる素晴らしさ。バッハだって、貧弱な古楽器の演奏より、進化したモダン楽器が醸し出す演奏に驚き、喜ぶに違いない。俺の求めた音は、これなんだ! 吾輩の時代には、こんなに素晴らしい豊かな音を、奏でられる楽器はなかったものなぁ! とあの音楽の父・バッハはいうかも。リヒター盤が愛聴盤だが、カラヤンに厳しさを加えたのが、カール・リヒター。(リヒター盤のニコレのフルートは,清廉で神々しくとても良い。)バッハの精神性・音楽様式からすると、カラヤンはどうも?、という人達は多いかも知れぬが、カラヤンこそが、自己流の解釈をせず、楽譜に忠実であり、バッハの音楽を豊かに再現している。美しくあふれ出る音のバッハを楽しみたい時は、カラヤンを聞いている。
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