私はゲームをプレイせずにこの本を読みました。ICOの知識がまったく無い状態で読んだ感想は、「とても面白い」。ブレイブ・ストーリーに並ぶ作品だと個人評価しています。この本を読んでよかった。ヒロインのヨルダの存在が途中まではぱっとしなかったのに、真実に近づけば近づくほどとても重要な存在であることがわかってくるあたりになると一気に読んでしまいました。
それでもゲームをプレイした方から酷評されるということは、宮部さんが後書きでおっしゃっているように、これは宮部さんのICOなのでしょう。ゲームをプレイした方で、自分のICOを大切にしたいのであればお勧めできない作品のようです。逆に、この本からICOを知るほうが良いのかもしれません。実際、私は今ゲーム版ICOに興味があります。
私個人の感覚ですが、この城自体が複雑なのか、私の想像力では思い浮かばない情景が何箇所かありました。先のレビューで書かれていらっしゃる方がいましたが、攻略本や何かで城の知識だけでももっていたほうがより楽しめるのではないかと思います。
巨像の設定画集やインタビューも魅力的で、ボツになった巨像のテストショットも載っています。 もちろん攻略方法やアイテム入手条件も載っていますが、自分であわあわしながらクリアした方が絶対面白いので頑張ってください。
カメラワークとキャラの操作のコントロールが結構シビアです。
今の操作がしやすいアクションゲームに慣れてる人ほどコツを掴むのに時間が掛かるのではないでしょうか。
自分は巨像を探し回る為に必要な馬のコントロールですら苦労しました。 でもこのゲームはあえてこうゆう感じにしてるのかって巨像と戦いながら思いました。
これから買おうとしてる人にちょっとでも参考になれば幸いです。
登場人物の細かな設定(名前とか)をまず知ることで、物語に引き込まれていくのを感じました。それぞれの巨像に対しての攻略がわかりやすく丁寧にのっているので、なるほど〜、と思いながら読みました 大型で、お値段もそれなりにするけれど、それだけの価値はあると思います。ゲームのほうはもっぱら子どもがやっていて、私はひたすらギャラリーでしたが、見ているだけでも楽しめたし、このゲームを作ったスタッフ、この攻略本を作ってくれたスタッフにはすごい、の一言です。イコも良かったけど、ワンダも良かった。
心配して面倒をみてるのはアランの方かと思いきや、
実は感情のまま自由に生きているチャーリーを羨んでるのでは?
という妻の指摘は鋭かった。
こんなにクレバーな奥さんに心の底まで見透かされちゃうから
アランは息が詰まるようになったんじゃないかな?
両親を早くに亡くした上に、妻と娘3人を一度に喪ったつらさは
計り知れない。
これ以上精神が崩壊しないよう、現実世界から目を背けている
チャーリーに向かって、亡くなった妻の両親は、
「なぜ家族を思い出そうともしないのか」と非難する。
その後、事件以来誰にも自分の気持ちを打ち明けなかった
チャーリーが、
「写真も思い出の品も何も必要ない、
街を歩く女性はみな妻に見え、すれ違う少女は娘に、
駆け回るシェパードは愛犬のプードルに見える」
と語るシーンは、胸に迫った。
この言葉を口に出せるようになるまで、何年もの時間が
必要だったのだ。
「思い出す」というのは、忘れている瞬間があるからこその行為。
本当に大切なものを喪うと、24時間寝ている時でさえ頭から
離れないから、「思い出す」という表現が適切でない悲しみがある。
それを少しでも味わったことのある人は、チャーリーの言葉が
痛いほど分かると思う。
きっとチャーリーは、現在進行形で、癒えることのない悲しみを
心のど真ん中で受け止め続けてきたのだろう。
深い内容を描きながら、コミカルな場面も多くて、
良い意味で湿度の低い作品。
未来に希望を持たせつつ、サラッと終わっていくラストも良かった。
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