実に密度の濃い本です。ショスタコーヴィチの家系と生い立ちから、青年期、作曲家としての成功、当局との確執、芸術家としての苦悩、結婚、家庭生活、病気、そして死までを記述した、非常に内容豊かな本です。(医師である私にとっては、ショスタコーヴィチの闘病の様子が詳しく書かれて居る事も、興味深い事で、読みながら、彼を苦しめた「麻痺性の病気」は、一体何であったのか?を考えましたが、これは、良く分かりませんでした。これは、今後の研究課題だと思ひます。)特に、「死後の評価」と題された章(178-182ページ)では、1979年に発表されたソロモン・ヴォルコフ編の「証言」の真贋論争が、非常に分かり易く要約、解説されており、これを読めば、ヴォルコフ編の「証言」が、偽造文書であった事が、良く理解されるに違い有りません。又、「作品篇」(184-240ページ)の内容は非常に充実しており、ここに述べられたショスタコーヴィチの楽曲についての解説と分析は、ファーイの『ショスタコーヴィチ/或る生涯』には無い物です。ショスタコーヴィチに関心の有る方のみならず、ロシア・ソ連の現代史に関心の有る全ての方に、この本を読まれる事をお薦めします。(西岡昌紀・神経内科医)
今までの全音楽譜よりもページめくりがしやすくなっています。
230ページを超えますが、無理なく自然にめくれるので
テンポが速くなった時でも音楽から遅れることなく
読譜に集中できます。
最近の海堂作品の中では、とても読みやすく読書スピードの遅い私も一気読みできました。 …しかし、読後感は“なんだかなー”って。 白鳥、田口のキャラは確かに今回非常に立ってますが、、前半に出てきた南雲・小百合は一体なんだったのか。(次回作への布石かな??彦根も中途半端さが残りますし(^^;))ここがシリーズ物の難しさなんですかね。 他にもモヤモヤした箇所は多々ありますが、このシリーズを読んでいる方ならまぁまぁ楽しめる作品だと思います。
冒頭、モスクワと思われる夜景がショスタコのV協奏曲第一番をバックに一分程続き当時に引き込まれる。
続いて、本番ムスッとした顔のコーガンの演奏が始まる。
指揮はコンドラシン。
演奏はモスクワ国立フィルハーモニー交響楽団。
強靭なテクニックとグァルネリの美音がよく鳴る。観客の顔のアップが次々と挿入される。皆、演奏と一体となった沈潜した深みのある顔である。ショスタコの顔も出る。
楽章間の短い合い間にコーガンの私生活の映像が流れる。10歳頃の佐藤陽子を指導する真剣な教師としての厳しいコーガンの顔がある。いつの顔にも懊悩がよぎっている。58歳で歿す。
29分の小品ながらよくできた構成の映像となっている。カメラワークもいい。値段も手頃。
NHKで放送されたものも視聴しましたが、さすがにブルーレイは音も映像も別次元でした。特に音が素晴らしい。
武満徹のFrom Me Flows What You Call Timeでは打楽器群の音が抜群で、正に目の前で演奏しているかのような臨場感があります。
ショスタコーヴィチの交響曲第5番は強奏部はもちろんですが、弱奏部の各楽器の音色がこれまた素晴らしい。
NHK CLASSICALのブルーレイは画質音質共定評がありますが、これは本当に音が良いです。(もちろん映像も)
演奏については、人それぞれ好みもあるでしょうが、佐渡裕とベルリン・フィルの初共演が見られるだけでも価値があると思います。
クラシックが好きな方、必見(必聴?)です。
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