QUEST
Laurentechで最高潮のグルーヴが来て、そこがアルバムの前に持ってきすぎかな、という感じはあるが、
いずれも粒揃いの佳曲で一気に楽しませてくれる。とにかく、これ以前の作品以上に、いい音で聴きたい一枚。
ただ、このあとから出た「PB」が期待を裏切らない作品だったことで、本作をすんなり高評価できるという面もあって、
これが最新作だった時は、ちょっと歌いすぎかな、とか、
曲によっては、これ歌は邪魔だな、と思う瞬間がわりとなくもなかった。
たとえばOveliaとか。
Laurentechの直後にあるOveliaの流れ、これで気持ちよくなってくるか、ちょっとうるさすぎてつらいか、
そこで、本作の好き嫌いが分かれるようにも思う。
正直、いっそOveliaボツにしてQuestにつなげば、数段上の超傑作アルバムとして認知されていたような気もする。
美しき生命 【通常盤】
パラシューツから始まったColdplayの伝説を見てきた人にとっては、正直がっかりな内容だと思う。
一言で語ると「普通」で、タイトル・トラックだからかやはり一目置くViva la Vidaもヴァイオリンに頼りすぎて他と比べて目立つだけというレベル。
クリス本人はU2やRadioheadを尊敬しているようだが(こういうところに正直な彼は評価)、あまりに憧れすぎていて段々似てきている始末。
今やトップアーティストのColdplayもこれじゃ本末転倒になりかねないので、次回作の立て直しに期待。
ただ、このアルバムから入った人はもっと評価が高いかもしれないが、過去三作ははるかに良いので錯覚だと思う。
MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2011年 09月号 [雑誌]
ミュージック・マガジン9月号は、久しぶりにアルバムが発売された為か、山下達郎さんの特集が約36ページ組まれています。その内でも読み物は、達郎さんのロング・インタヴューとヒストリー&アルバムガイドでしょう。
そのロング・インタヴューで達郎さんは、ようやくハード・ディスク・レコーディングへの対処法が解ってきて、その分、詞、メロディー、その他に集中できるようになってきた、また、ロックンロールはジュヴィナイル・カルチャーだから、50代、60代で何を歌うのか、とても難しい、また、数年前から、ツアーを再開していますが、このご時世ですから、今までまず言えなかった。お互い頑張って生きていきましょうというようなセリフを言わざるをえないようになってきたと述べています。また、今回のアルバムについても興味深い発言をしています。そして、自分がミュージシャンとして36年間やってこれたのは、音楽業界のシンパシーという要素が非常に大きい、そして、音楽業界を取り巻くシステムは、酷いけど、音楽自体は、1度も嫌いになった事が無いとも述べています。そして、ヒストリー&アルバムですが、全体を5期に分類し、各々解説しています(しかし、そろそろ完璧なデイスコグラフィーが欲しいですね!)。
しかし、今号で驚いたのは、レ―コード・コレクターズである程度知っていましたが、中村さんの自殺です。湯川さん、原田さんの追悼記事、また、絶筆?のとうようトークスが掲載されています。
また、今号は何かおかしいと思っていましたが、紙質が変わっています(少し悪くなった?)。安定供給のためらしいです。
LAST DANCE [DVD]
実質的なデビュー曲「猫が死んだ」で暗転があがった瞬間のベンジーが何とも言えない表情を浮かべます。のっけから暴れまくる観客に面食らったのか、解散に胸詰まるものを瞬間的に感じたのか、今日は気合いを入れるぞと意気込んでいるのか、わたしには当然ベンジーの心境は分かりませんが、もの凄く複雑な顔つきをします。その後は期待どおり圧倒的な化学反応が続き、画面に釘付けにされたままあっという間に後半へ。「DIJ」で照井さんが咆哮する場面、横でベンジーが顔をくしゃくしゃにして笑います。あまりにも楽しそうな笑顔。解散することが嘘のように見えるシーンです。「悪いひとたち」は3アングルの切替ができる特典が付いていますので、メンバーそれぞれに固定された映像を楽しむことができます。そしてラストの「BABY BABY」に入る前にベンジーと達也からコメントがあります。達也の発したたった一言には「なぜ解散するのか?」に対する達也なりの気持ちが表れているような気がしてなりません。個人的には「僕の心を取り戻すために」が最高に好きです。完璧なテンションと強固なスリーピース。終盤のベンジーソロが鳥肌ものです。わざわざMDにおとして聴いています。笑