music for 陰陽師
店頭で偶然出会ったCD。2枚組だというのも初めて知った。でも、ずっと、雅楽のCDを買おうと思っていたところだったので、聴いてみて1枚が雅楽のCDだったのはすごくラッキーだった。
陰陽師のコミック自体は全巻読んだ。最後の方はついて行けなくなってしまったが、途中までは平安の雅と闇が良く描かれていた作品だった。このCDを聴いて、その世界を思い出した。コミックでは、源博雅が舞を舞うシーンもあるのだが、このCDを聴きながら読むとよく理解できるのかも知れないと思った。映像と一緒に聴きたくなるCDだった。
秘帖・源氏物語 翁‐OKINA (角川文庫)
まず簡潔に感想を言うと、面白い。
夢枕獏氏の読みやすくリズムのよい文体と、
テンポのよい展開で一気に読めてしまう。
はじめて夢枕氏の作品を読む人にとっては
格好の入門編になりうると思う。
少し甘さを感じた点。
・「源氏物語」を謳っているが、それらしさはほぼない。
(登場人物が一部・・・という程度。どちらかというと陰陽師のサイドストーリーにしても良さそう。)
・短いので、人物描写が弱い。
(光の君の個性がもっとあっても良いと思った。少し晴明にかぶる。)
・王道過ぎてファンには展開が読める。
「陰陽師」や「沙門空海〜」と似た作品なので、
もう少し長編にして、人物を深く書き込んだらもっと味が出たように感じた。
ただ、凡百の小説と比べたら存分に楽しめるので、おすすめ!
陰陽師 5 [DVD]
近年なぜか陰陽道や安部清明に関する書物が出ていたり、テレビ番組や劇場映画になったりしていると思ったら、若い人達や子供たちの間でブームになっていたんですね。聞き及んだところによると、大衆小説やコミック本が出ているそうな。
もちろん子供たちが平安朝の歴史や古典文学に関心をもつようになってくれたら、これにすぐること無しとて喜んでいたのですが、映像作品を見てがっかりしてしまいました。と言うのも、説話文学や浄瑠璃などに登場する安部清明の史談とは、ほとんど無関係に勝手な話を創り出して「オカルト好み」の若い世代に受けているに過ぎないからです。式神を全て女性に改変してあるのも、いかにも野暮ったい現代日本人向きで、少々通俗的に過ぎるというものです。
ただ、たんなる娯楽作品として見た場合は、それなりに愉しめるものと申せましょう。
新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編 (FUTABA NOVELS)
ひさしぶりの待望の新刊です。
今回は丹波文七、堤城平が、それぞれにカイザー武藤、グレート巽と戦います。
プロレスのリングの上で、それぞれが体重差のある相手に、自分の技が、力がどこまで通じるのか、そして勝てるのか、それを賭けて闘います。夢枕獏さんの作品は多々ありますが、己の強さを究極にまで高めて相手に勝ちたいという熱さがストレートに出ているのはこの餓狼伝のような気がします。圧倒的にタフで、試合巧者で、色々な仕掛けをもってくるプロレス界の雄を相手に二人がどんな闘いを繰り広げるのか。五年ほどのブランクのあいた作品ですが、読み始めるとすっと作品世界に入っていける筈です。