Bloodangel's Cry
ドイツのシンフォニックメタルバンド、クリプテリアの3rd。2007作
韓国人女性シンガーを擁する4人組で、サウンドはNIGHTWISH+EVANESCENCEといった感じ。
やや軽めに疾走しつつ、時にシンフォニックにときにゴシック風にもなる楽曲に
あまりメタルらしくない美声の女性ヴォーカルが歌を乗せる。バックのシンセアレンジも綺麗だし、
重ねられたコーラスなどでゴシックメタル風の美しさをかもし出してはいるが、やはりどこか物足りない。
ヘヴィさもないし、ゴシック的な薄暗さもない、いわば若者向けのカッチリとした聴きやすさが特徴。
女性Voのモダンで綺麗めなシンフォメタルが好きな方は好きかもしれない。
Liberatio
ドイツの音楽番組で作曲をやっていた2人組み(勿論、現KRYPTERIAのメンバー)が中心となって、多数のゲストを迎えて作られた作品であり、厳密にはバンドの作品ではありません。韓国人女性ヴォーカルのJi-In Choも、ボーナストラックのみの参加となっています。
音楽的にもゴシックメタルとは言えず、むしろアラン・パーソンズ等の80’sポップス風ですらありますが、旋律の美しさは既に完成されており、ゲストヴォーカル陣の素晴らしいパフォーマンスもあって、素晴らしい作品に仕上がっています。
オープニングを飾る“Liberatio”はスマトラ沖地震に捧げられた鎮魂歌であり、感動とともに厳粛な気分になります。こんな曲を埋もれさせておくのは罪です。在庫があるうちに買いましょう。
My Fatal Kiss
ドイツのシンフォニックメタルバンド、クリプテリアの4th。2009作
韓国人女性シンガーを擁する4人組で、EPICA+EVANESCENCEといった感じの
モダンなフィメールシンフォメタルであるが、正直、この手のサウンドは頻出し過ぎていて
よほどの個性か質の高さがないと耳には残らない。女性Voの実力はなかなかだと思うが
それを活かす楽曲に新鮮味がない。壮麗なクワイアなどはよい感じだが、疾走するとDawn of Destiny
あたりにも近くなる。一方で耽美なゴシック的世界観もあるという、方向性がやや中途半端な気がする。