舞台「鉄人28号」映画「28 1/2 妄想の巨人」豪華セット版 [DVD]
舞台「鉄人28号」のDVDは、押井守監督の思想性に興味ある人には必見のDVDである。はじめとおわりの歌がいい。内容は監督の今までの作品を想起させつつ、戦後日本の若者たちが喪失したものに触れつつ、現代の若者へのメッセージがこめられている。簡単にいえば、「金田正太郎」とは心のなかの「永遠の少年性」なのであり、純粋な少年の気持ちで、若者よ、創造せよ!と、監督は言っているのである。その点さえ押さえれば、舞台の意味も理解できるのである。最後の歌は泣ける。
妄想の巨人、いい映画です。
奥田恵梨華がたばこ吸うときの表情や鏡の自分と向かい合ったときの表情を見ていると、押井守監督が「この映画はふつうの映画よりはレベルが高く難解」と言ったらしいが、それもうなずける気がする。存在論というかかつてのサルトル的実存主義の領域にまで、この映画が踏みこんでいるのが、わかる人にはわかるのである。
スチールカメラマンの奥田恵梨華演ずる言子(あきこ)が、演劇という虚構空間を外部から見つめているうちに、しだいにおのれの存在理由を考察していくという話である。
奥田恵梨華が車で疾走するシーンは何ともいえない絶妙な表情をする。とても美しく感動する。そしてクライマックスで、深く映画を理解したものには涙がこみあげるのである。
どちらを先に見てもいい。
鉄人28号 白昼の残月 DVD
横山先生は鉄人のモチーフはフランケンシュタインと書かれていた
この作品は無機質な鉄人と操る人間の関わりの原点に戻ったテーマ。
ゴジラが文明へのアンチテーゼであったように、
鉄人も原点帰りしたストーリーで最後まで楽しめた。
機動戦士ガンダム 劇場版メモリアルボックス [DVD]
一部のファンの間で、権利の問題で出ないだろうと噂されていたオリジナル版が、
現在考え得る最高のマスタリングでDVD化されることを、まずは素直に喜びたい。
この作品については、バンダイの販売戦略は正直どうでもいい。
価格面でも、個人的にはそれに見合う価値があると思うし。
肝心の音声についても、「オリジナル」を明示している以上、ヘタなことはしないだろう。
別に特別版でバンダイが「ウソ」をついていたわけではないし。
どうせならBlu-rayでという気持ちもあるが、原版が16mmフィルムの35mmブローアップ
である本作がBD化されて、HD映像としてどこまで説得力を持てるかということもあるし、
そういう意味では、DVDの方がノイズをうまくまるめてくれて、見やすくなるのかもしれない。
ただ映像特典が予告のみというのは、寂しすぎ。
8マン〔完全版〕(3) (マンガショップシリーズ)
収録作品は下記の通り。
殺人ロボット〇〇五 週刊少年マガジン 1964年(昭和39年)12号〜20号
魔女エスパー 週刊少年マガジン 1964年(昭和39年)21号〜31号
幽霊ハイウェイ(絵物語) 別冊少年マガジン 1965年(昭和40年)4月号
サイボーグPV1号 週刊少年マガジン 1965年(昭和40年)47号
週刊連載が1965年13号で終ったあと読切りで載ってるのを見つけるとうれしかった。
「サイボーグPV1号」はそんな作品のひとつ。東探偵の顔が明らかに連載時と違う。のちに「アダルト・ウルフガイ・シリーズ」の「狼は泣かず」に使われた哀しい物語です。
青の6号〔完全版〕(上) (マンガショップシリーズ) (マンガショップシリーズ 426)
マンガ界の重鎮、小澤さとる先生の言わずと知れた名作「青の6号」所謂、アオロクの復刻版! 海洋マンガのパイオニアである小澤さとる先生は、ヱヴァンゲリヲンの庵野氏や多くのクリエイター達に影響を与えたと言って良いだろう。
高校生の頃に手塚治虫のアシスタントを経験した事が切っ掛けになり漫画家としてデビューを小澤さとる先生は、マンガ作品の他、チョロQの考案をするなど様々な分野にプロデューサーとしての才能が見え隠れする多才な作家である日本を代表する漫画界の巨匠と言って良い。
小澤さとるという作家の先進性や先見性は「青の6号」を読むと如実に理解出来る。
1966年に「青の6号」は描かれたのであるが、同時期の他の作家の作品を読むと、正直コマ割が多く、絵柄やストーリーなどに古さを感じ、なかなか読みにくいというのが感想であるが、小澤作品には不思議とそれが無い!
小澤作品は絵は、何時も「動いている」のである。
目でコマを追って行くと、アニメーション映画を見るように活動しているように感じる。それほど映画的なのだ!
小澤作品の多くがアニメーション化されているのが何よりもの証拠である。
この作品は昭和の名作マンガの代表作として是非、手元に置いて愛読して欲しい一冊と言えるのである。