グイン・サーガ Vol.3(完全生産限定版) [DVD]
原作でいう「辺境編」の山場の1つ、セム族とモンゴールの戦いを描いた第7話「ノスフェラスの戦い」を真中に、第6話「セム族の集結」、第8話「狼王との出会い」が収められたDVD第3巻です。
「グイン・サーガの音世界 外篇」というサウンドトラックとは別物の音楽CDに、このCDの解説ブックレットも付き、例の三方背BOXで、完全生産限定版の特典になっています。
やはり原作が面白いからだとは思いますが、ついつい魅入ってしまいます。が、背景や群衆(この巻ならば軍隊と言うべきか)シーンの出来が良いのに、人物がアニメ顔なのはやはりどうしても気になってしまいます。特にセムがやたら人間っぽいくせに蛮族であるというギャップに戸惑いながら見ています。
そんな中、思い入れもあるのでしょうが、グインだけはよく描けていて、声もはまっていて、「格好いい」としか言いようがないですね。
特典は、可もなく不可もなく。私は実は音楽担当の人たちについてあまり知らないので、ただ単純に音楽として楽しみましたが、どうせ特典ならば映像そのもののOUTTAKESでも楽しめたのかもしれません。
(132)GUIN SAGA(グイン・サーガ)-イリスの石-
グイン・サーガは、当初の100巻で完結するという予定が延び、作者の死によって「未完」の大作になってしまった。ファンとしては、埴谷雄高の「死霊」のような形而上学的(にみえる)会話はやめてもらって話を進めてほしいと思っていたが、いずれ終わるだろうと安心していたので文句も言わず気ままに読んでいた。作者の死は、本当に青天の霹靂だった。もう、1巻から読む力はない。
このアルバムは、まだグイン・サーガが、魔術的な世界の雰囲気を持った外伝2巻のイメージアルバムだ。むさぼるようにグインを読んだ昔、この外伝2巻の雰囲気は好きだった。外伝2巻は、死の都ゾルディーアを舞台にグイン、イシュト、マリウスの最初の出会い、イリスの石の謎と、物語の主要人物が活躍するので面白い。
アルバムを聴いて、収録されているものは重厚な音楽ではなく、ゲームの音楽のような気がしたが、それは外伝2巻がきわめてRPGに近いことを現しているのだろうか。ケイロニア編になると急に大河ドラマのような展開になるので、そこでのイメージは、ゲームミュージックよりもクラシックのような音楽があっていると思う。
改めてグイン・サーガの音楽があることが、今後の読みの楽しみになると感じた。
(127)GUIN SAGA(グイン・サーガ)-辺境編-
グインサーガのイメージアルバム第一弾です。
原作の第一巻から五巻までの辺境編がモチーフです。
確か、このアルバムが発表されたのは1983年だったと記憶しています。
当時は異世界や中世をモチーフにした日本発のファンタジーは皆無に近く
(同時期に「風の谷のナウシカ」「聖戦士ダンバイン」があったくらい)
ドラクエも無い時代にこれだけのファンタジー小説があったのは
感嘆すべきことでした。
そしてこのイメージアルバムも当時のグインサーガの重厚な作りにあわせて
気合の入った作品になりました。
ファンタジー作品の音楽といえば、欧州の管弦楽をイメージしていた時代に
ハードロック、フュージョン、民族音楽を一枚の41分のレコード
(当時はレコードだったんですよ!)に包んだのは驚異的!!
しかも後のシリーズ展開のために、各キャラクターのテーマ曲も
曲に忍ばせている凝り性です。しかもそのテーマ曲が嵌っているときている!!
この復刻CDにはライナーノートがないので曲目を簡単に解説します。
1. 死霊の森~戦士グイン
双子のパロ王子王女がさまよう死霊の森を思わせる不気味なテーマの後に
渋いバラードロックが・・・これが主人公グインのテーマ曲です。
2. パロの真珠
パロ王の双子の王子と王女・・・レムスとリンダのイメージ曲。
この曲はパロのイメージテーマとしても後々使われました。
3. 黒伯爵の砦
黒伯爵の砦にとらわれた3人・・・
不気味な音楽の中・・・途中で流れる勇ましい明るい曲はイシュトバーンのテーマ
明るく動き回る曲はノスフェラスのセムの少女スニのテーマです。
4. スタフォロスの戦い
思いっきりハードロックで戦闘!!
5. 辺境
ノスフェラスの砂漠のテーマ曲です。途中で流れる弦楽器はアフリカの民族楽器。
砂漠の中で蜃気楼がゆらゆら、イド(ゼリー状の化け物)もゆらゆら・・・一押しの曲
6. モンゴールの進軍
原作者さんと音楽家さんが「スターウォーズ帝国軍のテーマ」をモチーフにしたと
ライナーノートにありました。モンゴール軍、そしてモンゴール公国のテーマ曲です。
途中で流れる美しい曲は後に数奇な運命をたどるモンゴールの姫、アムネリスのイメージ。
7. 砂漠の民~セムとラゴン~
明るく軽快な曲はノスフェラスの蛮族セム族(類人猿に近い民族)のテーマ。
(スニがリンダにまとわりつくイメージがあります)
後半の重々しいテーマはノスフェラスの蛮族ラゴンの巨躯をイメージ。
8. 辺境の王者
ノスフェラスの王となったグインとその仲間たち、そしてノスフェラスの民達が
モンゴール軍と戦うさまを野性味あるロックで、
最後は夕日の中のグインのテーマ曲で〆!!
グインのアニメのOSTも凄かったんですが、
この原点のイメージアルバムがあったればこそ、
日本のファンタジーアニメ、否、アニメ音楽も重厚になっていったと思います。
後世にこの音楽が残した影響はあまりにも大きかった!!