神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く
話として結構面白いし文章力もあると思うのだが、「ノンフィクション」ではないでしょう、これ。
他の多くのレビュアーもこの点に違和感を感じている様だが、確かに前後関係など考えても、著者にこれだけ微妙な表現で意思疎通ができる個々の現地語語学力は無いようで、かなり大胆な意訳と創作が入っていると感じる。そして、人々の微妙な言葉の数々がこの作品の面白さを大きく支えている事からも、ノンフィクションと呼ぶ事には違和感を覚える。
かといってノンフィクションを名乗らなければ、この作品のバックグラウンドにある一定の事実が持つ強さが薄れてしまう為、非常に立ち位置は難しかったのだとは思うが、それならば手法はより厳密であるべきだと思う。完全に厳密さを求められる学術研究や報告書と、いわゆる「ノンフィクション」というものの境界について考えさせられた。
皮肉ではなく、「現実のどこでもない幻想の夜を、漂うように旅した気分になれる」という意味で優れた旅行小説。ノンフィクションとして見るならば、いい素材なのに、恣意的な味付けがちょっと過多では。
面白かったので、小説として星4つ。
ある夜、ピラミッドで
痛快とは言わないまでも筆者が生活したエジプトでの生活での視点から、上手く人々を表現しており、さっぱりと読めるし、話題も豊富で、何より視点が冷静であり客観的に捉えられていることから作者の素直さ(?)や偏執さなしに読める。惜しくは後部でキリスト教のディープな部分を取材(?)されているのだが、もう少し読み残し感が残ってしまった。
チベットわが祖国―ダライ・ラマ自叙伝 (中公文庫BIBLIO20世紀)
.
[Full Title] My Land and My People: The Original Autobiography of His Holiness the Dalai Lama of Tibet
If one must read books about Tibet, this is one of the best places to start.
The Dalai Lama manages throughout to convey a calm wisdom. Unlike works by academics on the same subject, this one explains historical facts, events, realties, goals and their context, with an unobtrusive air which causes them all to smoothly enter the mind and feelings. Unlike works by the most passionate radicals on the same issue, this one avoids vitriolic language--nonetheless imparting a vivid picture of a situation no less dramatic and painful. And all this while talking about his life--a manifestation of how much of it is dedicated to Tibet.
A must-read.
.
ペイント・ザ・スカイ ~ザ・ベスト・オブ・エンヤ
ケルトと日本のつながりっていうのを少し聞いたようなことがありますが
それはともかくとしても、なんだか落ち着いた郷愁を誘うような気持にさせられます
音楽って素敵だなって素直に思わせてくれます。
感謝の気持ちをこめてレビューを書かせていただきました。